『お金オンチ夫婦借金500万からのビンボー脱出大作戦』(二ノ宮との著、横山光昭監修、世界文化社)は、家計の再生漫画です。二ノ宮とのさんが、500万円の借金を抱えた状態で横山光昭さんのコンサルを受け家計を再生していきます。
自らの家計の再生実践をまとめた書籍
本書『お金オンチ夫婦借金500万からのビンボー脱出大作戦』は、著者の家計再生の実践記録連載を、Kindle版の書籍にまとめたものです。
AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
著者・二ノ宮とのさんは、夫人と子が一人の漫画家。
27歳で結婚して、30歳で子宝に恵まれますが、生まれてからは、将来について考えるようになりました。
漫画家は不安定な職業。
月の収入がゼロ円ということもあるからです。
それだけでなく、タイトル通り500万円の借金あり。
出版社からは、家計を再生するマンガを書いてみませんかとの依頼されます。
ファイナンシャルプランナー(横山光昭さん)を相談役にして、自らの家計の再生実践を、文章とマンガでまとめる連載というのです。
「嫁ちゃん」がネックに
二ノ宮とのさんは前向きでしたが、夫人のことを考えると一抹の不安が。
二ノ宮とのさんが「嫁ちゃん」と呼ぶ夫人は、お金の管理が大の苦手。
そして、自分のお金の使い方について意見されるのがもっと苦手(笑)
現在抱えている借金の殆どをこさえた浪費家なのに、家計再生には協力的ではないのです。
二ノ宮とのさんは、横山光昭さんへのヒアリングに、嫁ちゃんの同行を求めますが、嫁ちゃんは即座に拒絶します。
二ノ宮とのさんは、「家計を再生させるには、嫁ちゃんの力が必要なんだよ」と泣いて頼みます。
自分の部屋に閉じこもる嫁ちゃん。
「このままじゃ、ダメだってのはわかってる。でも、やっぱ私の失敗を知ってる人に会うのは怖いよ」と駄々をこねます。
そこで、二ノ宮とのさんは、嫁ちゃんが妊娠糖尿病になった時、2人で一緒に糖質を考えた食事をするようになったことを挙げ、「僕は嫁ちゃんと、もっとお金の話ができるようになりたい」と提案。
そんな夫婦の葛藤によってストーリーは進みます。
結局、連載は開始。
その結果、無駄な出費を抑えたり、計画的な支出になような仕掛けをしたりして、不安定な中でも「黒字」が出るようなります。
家計再生は、もっぱら夫人の説得と金銭管理です。
ただ、それ以外に読者にも有益な内容が含まれています。
借金は「うまく」「長く」付き合うべき
たとえば、借金との付き合い方です。
借金があると利息が付きますし、精神衛生上もはやく処理したいと考え、お金ができると、優先的に返済に回したくなりませんか。
しかし、横山光昭さんは、借金や滞納金とは、「うまく」「長く」付き合うべきだといいます。
借金の返済を優先し、持っているお金がゼロになった状態で、家族が重い病気になってしまったらお手上げです。
「不測の事態に備えて、手元にお金を残しておくことは大事なことなんです」
借金があっても、貯金はしましょうということです。
「2000万円問題」にうろたえないこと
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書では、「老後30年間で約2000万円が不足する」と受け取れる試算が示されています。
二ノ宮とのさんは、「今から2000万円も貯金できるのか」と心配しています。
しかし、横山光昭さんは、貯金できなかったとしても「特に問題ない」と回答します。
「2000万円」という金額の根拠は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯において、毎月約5.5万円の不足が生じるため、20~30年間の不足額が約1320~1980万円に上るという試算に基づいています。
横山光昭さんは、だったら節約して「不足」を半分にしただけで、「2000万円」は「1000万円」に減額できると言います。
そして、もう「半分」がそれ以上節約できなかったとしても、その分は働けばいいと言うのです。
70歳まで現役で頑張り、年金もその時まで繰り下げて多めに貰えば、十分カバーできると見込んでいます。
大事なのは、70代でも健康で働ける体を維持すること。
「いつまで働かせるのだ」という意見があるかもしれませんが、金額の問題ではなく、現役で社会と関わることによる生きがいが大切なのです。
ことほどさように、ためになる内容が十分含まれています。
もっぱら嫁ちゃんの問題では?
というわけで、本書の感想ですが、まず、夫婦で年収480万なら、そもそもこのデフレ時代、贅沢をしなければ借金を抱えるというのは考えにくい。
実際に、そのぐらいの年収で、きちんとやりくりして貯金まで行っている家庭は、めずらしくないでしょう。
やりくりは、書籍にするほどの奇跡的芸当とは思いません。
二ノ宮とのさんは、本当のドン底の人とはいえないのです。
そして、タイトルに借金500万とありますが、その8割は嫁ちゃんの学生時代の奨学金です。
しかも、それ以外の借金も、ソーシャルゲームやリボ払いなどで嫁ちゃんが作ったもの。
ゲーム課金が毎月5万。
著者は趣味がないから、そういうお金の使い方はしない。
さらに、嫁ちゃんとお金の話をすると、嫁ちゃんが怒りだし話ができない。
嫁ちゃんは通帳もキャッシュカードも失くし、自分の奨学金の残高も調べることを約束しておきながら調べない。
本書の取材も兼ねている、横山光昭さんの事務所に夫婦で一緒に相談に行く約束だったのに、「自分の恥を知っている人とは会いたくない」と初回はドタキャン。
2度目は、やっと重い腰を上げるも、自分が作った借金の相談に行くのに、あろうことかご褒美を要求。
ことほどさように、家計の問題というより、もっぱら嫁ちゃんの問題ではないでしょうか。
Amazonのレビューでは、ADHDなどと書かれていますが、失礼ながら、人格的になにか問題があるのか、それとも発達障害などがあるのか、言動もかなり幼稚です。
マンガ用に誇張されているのかもしれませんが、どちらにしても、設定自体は一般的な夫婦にはあまり参考にならないと思われたかもしれません。
ただ、繰り返しますが、横山光昭さんの再生案は、傾聴に値するものがいくつもありました。
お金の問題というのは、暮らしの中で誰でも関係のあるテーマです。
まだ本書を読まれていない方は、いかがですか。
以上、『お金オンチ夫婦借金500万からのビンボー脱出大作戦』(二ノ宮との著、横山光昭監修、世界文化社)は家計の再生漫画です。でした。
お金オンチ夫婦 借金500万からのビンボー脱出大作戦【電子版限定描きおろしマンガ付き】 – 二ノ宮 との, 横山 光昭
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