さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~(さかなクン、講談社)は、魚や友人たちとの出会いを赤裸々に綴った自叙伝です。

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さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~(さかなクン、講談社)は、魚や友人たちとの出会いを赤裸々に綴った自叙伝です。

さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~(さかなクン、講談社)は、魚や友人たちとの出会いを赤裸々に綴った自叙伝です。東京海洋大学の客員准教授にして名誉博士号も認定された著者が、小学生時代、中学生時代から現在までを振り返ります。

『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』は、タイトル通りさかなクンが講談社から上梓した自叙伝です。

失礼ながら、学術の徒には見えないさかなクンが、魚のスペシャリストとして学術的肩書をもち、関連テレビ番組に出演する。

いったい、どのような経過で、一風変わった「文化人タレント」「魚のスペシャリスト」は誕生したのか。

本書には、それが赤裸々に綴られています。

『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』は2022年8月27日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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好きなことをずっと続けてこられたから今がある

さかなクンは、本書を読む限り、とくにご家族が魚のオーソリティというわけではなく、家業に魚が関係しているわけでもありません。

ごくありふれたご家庭の子弟のようです。

ある時、友達のタコの絵を見たことがきっかけで、魚に夢中になったのです。

さかなクンが言えば、水槽はどんどん増え、毎日タコ料理になったそうですが、家族は誰も「いい加減にしろ」とは言わなかったそうです。

本人は、水産大学にあこがれていたようですが、そのように好きなことをして受験勉強をしていませんから、そもそも大学にも進学していません。

魚の専門学校を目指しましたが、学校側の学科の再編によって、魚を「専門」としたわけでもないようです。

しかし、逆にそれが幸いしたのかもしれません。

絶対に水産大学、としていたら、受験勉強だの偏差値(難易度)だの事情から、進路変更をやむなく行うことだってあったもしれませんが、たとえば水産大学を工業大学に変更していたら、魚のことから遠ざかってしまいます。

逆に水産大学ではなかったからこそ、さかなクンにとって自分は魚とどうかかわるか、というもっとも本質的なことを考えながら試行錯誤できました。

その後は、お魚屋さん、お寿司屋さん、熱帯魚屋さん、水族館など、非正規の身分でいろいろ「魚関係」の仕事を転々としてきましたが、店頭に魚の壁画を描くことで、魚の絵を描くことが性に合っていることに気づきます。

そんなある日、テレビ局の方から「壁に魚の絵を描いているというあなたのうわさを聞きました。とてもおもしろい生活な のでぜひ密着させていただき、ドキュメンタリー番組に取り上げさせてください。」との依頼があり、さかなクンは自分の転職を見つけたような気がしました。

もとより、高校時代から、『TVチャンピオン』に出演していて「魚に詳しい人」として知られており、異色の日本の魚類学者タレントとしてメディアで活躍。

大学からも東京海洋大学に客員教授として招かれます。

大学に進学して先生になるという正規のルートとはまるでちがう道ではありました が、本当に先生になることができたわけです。

さかなクンは、そこまでこれたことは、「好きなことをずっと続けてこられたから」と振り返っています。

人生は、いかなる「ほしのもと」に生まれるか

さかなクンの生き様を振り返ると、

好きだけを糧にまっすぐ生きてきた。

この一言につきます。

そして、ご両親はそれを邪魔しなかった。

母は、お魚に夢中な自分をいつもサポートしてくれました。じっくり観察して絵を描くために、お魚は一匹まるごと買ってくれ、休日はお魚がいる水族館や海に連れていってくれました。
思いやりやマナーに関し ては熱心な母でしたが、学校の勉強に関してはきびしく言いませんでした。
むしろ、どんどんお魚に夢中になっ ていく自分をよろ で応援してくれるのです。将 来の進む道を見つけられずにいたときも、なにも言わずあたたかく見守っていてくれました。
父は厳格でしたが、それでもお魚ばかりに夢中になることを止めることはありませんで した。
そして兄も、毎日がタコ料理やお魚ばかりでも、文句ひとつ言わずいつもニコニコとお いしそうに食べてくれるのです。家族みんなが、お魚の道に突き進んでいく自分をいまで も応援してくれています。

専門学校を卒業後、正社員にならなかったことについて、親類は「きちんと」就職することを勧めても、母親は子供の好きにさせました。

魚が好きということでも、さかなクンは、実はどういう形で魚と関わるかについては、試行錯誤があったわけです。

お魚屋さん、お寿司屋さん、熱帯魚屋さん、水族館……。ぜんぶお魚に関わるお仕事なのに、どの職業も、自分が描く 理想には当てはまらないのでした。

もし、私がその立場だったら、たぶん母親からは、何をやっても長続きしない人間と罵られていたと思います。

学歴キ×ガイの我が母親は、そもそも魚を追う時間は作らせてくれなかったと思いますけど。

魚の図鑑を見ていたとして、「それ、入学試験に出るのか」「受験の参考書なら、食費を切り詰めてでも買うけど、試験に関係ないものは買わない」と言われたと思います。

父親からも、似たようなことを言われていたと思います。

私が子供の頃、電車が好きで、とくに駅名を知らせる車内アナウンスがやりたくて、「大きくなったら電車の車掌さんになりたい」と言っていたのですが、愚父は「3万かそこらの給料貰って、そんなもんになって何になる」と、そもそも仕事の内容ではなく、給料で否定していました。

まだ就学したてぐらいの子供相手にですよ。

私の両親、とくに父親はそういうキチ×イだったので、さかなクンが羨ましいです。

自分の人生の道筋を、自分で掃き清めることは、決して間違ったプロセスではないのです。

もしお子さんがいらっしゃったら、いまお子さんが夢中になっているものが、すぐ思い 浮かぶはずです。それは虫かもしれないし、ゲームやお菓子かもしれません。つい「もう やめなさい!」なんて言ってしまいたくなるかもしれません。けれど、ちょっとでもお子 さんが夢中になっている姿を見たら、どうか「やめなさい」とすぐ否定せず、「そんなに面白いの? 教えて。」と、きいてみてあげてください。きっとお子さんはよろこんで話をしてくれるはずです。その小さな芽が、もしかしたら将来とんでもなく大きな木に育つかもしれません。

さかなクンは、「よいほしのもと」に生まれ育ったのだと思います。

人生は、いかなる「ほしのもと」に生まれるかが、ホント、大切ですね。

以上、さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~(さかなクン、講談社)は、魚や友人たちとの出会いを赤裸々に綴った自叙伝です。でした。

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