みやわき心太郎純愛コレクション1~4(みやわき心太郎著、グループゼロ)は、男女間の恋愛を「心」の部分にフォーカスした物語

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みやわき心太郎純愛コレクション1~4(みやわき心太郎著、グループゼロ)は、男女間の恋愛を「心」の部分にフォーカスした物語

みやわき心太郎 純愛コレクション1~4(みやわき心太郎著、グループゼロ) (マンガの金字塔) Kindle版

みやわき心太郎純愛コレクション1~4(みやわき心太郎著、グループゼロ)は、男女間の恋愛を「心」の部分にフォーカスした物語です。昭和の懐かしさ、素朴さ、そして哀切に満ちた光景が十二分に表現されているラブストーリー短編集です。

『みやわき心太郎純愛コレクション1~4』は、タイトル通り、みやわき心太郎(1943年3月29日~2010年10月9日[)さんの漫画をグループゼロから上梓したものです。

マンガの金字塔というシリーズ名がついています。

この記事は、Kindle版をもとにご紹介しています。

男女間の恋愛を「心」の部分にフォーカスした短編マンガを収載しています。

みやわき心太郎さんといえば、これまで2冊ご紹介しました。

ひとつは『初恋さん今日は』(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)です。

初恋さん今日は(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)は、トミコと三郎の奥手な高校生2人が不器用ながらも互いの思いを高める話
初恋さん今日は(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)は、トミコと三郎の奥手な高校生2人が、不器用ながらも互いの思いを高めるハートコレクション傑作。1966年の作品ですが、今再び脚光を浴び、Amazonkindleやマンガ図書館Zなどで読まれています。

ミコと三郎の奥手な高校生2人が、不器用ながらも互いの思いを高めるストーリーです。

1966年の作品ですが、今再び脚光を浴び、Amazonkindleやマンガ図書館Zなどで読まれています。

もうひとつは、『手などつないで!』(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)です。

手などつないで!(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)は、同級生の女子に思いを寄せる幼なじみにハラハラする青春ラブコメ
手などつないで!(みやわき心太郎著、Jコミックテラス)は、同級生の女子に思いを寄せる幼なじみにハラハラする青春ラブコメです。ヒロッペの想いも知らず、隣のクラスの芦原あゆみさんに夢中な幼なじみの次郎。果たして恋の顛末はいかに?

同級生の女子に思いを寄せる幼なじみにハラハラする青春ラブコメです。

本書は2023年2月16日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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なぜ「のけもの」を選んでしまうのか?

第2巻の『卒業証書』のあらすじをご紹介します。

ある繁華街のクラブ。

「ママ、お勤めしたい人が見えています」

「そう。お通しして頂戴」

ホステスの面接です。

「どうぞうこちらへ」

誘われて、挨拶した女性に、ハッと気がつくママ。

「履歴書はお持ちですか」

「はい」

名前を見て……

「芦原涼子……やはり。それにしても、この変わりようは……」

2人は、高校時代の同級生だったのです。

高校時代を思い出す、ママ。

映画館で、ともに泣いた楽しい思い出も、付き合っている友だちをめぐって口論になった思い出も……

涼子は、クラス中の嫌われ者と付き合っています。

「よしなさいよ。あんな人と付き合うの」とママ。

怒ったような表情になる涼子。

「何、その目」

「……」

「怒ったの?」

「……」

「じゃあ、もう何も言わないわ!」

涼子は、その「嫌われ者」が誰かと喧嘩していると、事情をよくわかりもしないで、「嫌われ者」のかたを持ちます。

「何よ、あなたたちこそ、表向きは楽しそうに付き合っていても、裏ではテストの1点の差にギリギリ火花をちらし合って、競い合っているじゃない。私は、あなたたち優等生が除け者にしている人に、はじめて自分を顧みない友情を知ったのよ」

後ろでじっと見ているママ。←もちろん、当時はママではなく同級生です。

「確かにあなたたちは、優等生よ。だけど、電車の中の暴力行為を、見て見ぬふりする乗客と、ちっとも変わりないわよ」

実に勇ましいし、除け者にする側の汚さの一面をついた批判なのでしょう。

私が、なぜいくつか収載されている話から、この『卒業証書』を選んだかというと、私自身も、涼子のようなところがあったからです。

わざわざ、嫌われ者とか、友だちのいない人の方に、興味を持つクセがありました。

で、それは、「怖いもの見たさ」という好奇心を指摘されたこともあったし、もしくは人の気づかないその人のよさに気づく、慧眼であると思い上がって自画自賛している面もなきにしもあらずでした。

でも、実はそうではないかも、ということが、この物語の結末でわかったのです。

それが明らかになるまで、もう少しストーリーを追います。

涼子のホステス生活が始まると、少しガラの悪い男が店に来るようになりました。

「お前、ここのママか」

「ええ、お酌しましょうか」

「ああ……涼子って女がいるだろう」

「ええ、涼子さんに何か」

「ありゃ、オレの女だ」

やっぱり……と思うママ。

男は連日お店に来て、乱暴に酒を飲んで怒鳴ったり暴れたりします。

ボーイがたまらず言います。

「ママ、このままでは店の信用にかかわりますよ」

「バカやろう。てめえの女が、よその男とだべっているのを、シラフで見ていられるかよ」

男は、オェッと店の中で吐きそうになると、涼子が慌ててやってきて、洗面所で介抱します。

「あなた、大丈夫?ほら、これ飲んで。楽になるわよ」

それをじっと見つめるママ。

給料日に、ママは言います。

「涼子さん。悪いけど、あなたのお給料は、あの方が全部飲んでしまって」

「ええ、わかっています」

「前借りってことになるけど、いくらぐらい必要かしら?」

「……」

「それから、このお店、まだ開店して間もないから、今がいちばん大事なときなの。だからあの人には、できるだけお店に来ないように、あなたからいい含めていただけないかしら。でないと、あなたにも、やめていただくことになるのよ」

「やめさせていただくわ」

「ごめんなさい」

「ううん。もう慣れたわ」

別の日、お客様のお付き合いゴルフの帰りに、ママは涼子の男を目撃します。

別の若い女を連れて、旅支度です。

ママは急いで、車を涼子のアパートに回してもらいます。

アパートに着くと、案の定、ガスのニオイ。

手早く元栓を止めて、窓を開けます。

こういう経験が過去にもあったんでしょうね。

眠っていた涼子が、目を覚まします。

「……私、生きてるのね。お店は?」

「いいのよ」

「……私、捨てられたの」

「眠りなさい。ぐっすり眠って、目が覚めたら卒業式ね」

「卒業式?」

「あなたは、学生の頃から、ああいう人たちを選んで付き合うでしょう?」

「ああいう人たちって?」

「のけもの……。どうしてだか、わかる?」

「……」

「あなたは、いつも独り占めできる人を求めているのよ。そして、誰にも相手にされていない人を選ぶの」

「……」

「だけど、そんな人は、あなたのような欲張りやさんを食い物にして、生きているのよ」

ママの手首には、自傷跡が。

「その傷は?」

「私の卒業証書よ」

まあ、いつも「怖いもの見たさ」の時がそれにあたるとは限りませんが、少数派を選ぶときというのは、自分がマウント取れそうな時、ということはあったかもしれません。

なかなか、考えさせられる話でした。

男性の妄想が前提となった「純愛」

本作の『后記』には、著者が、男性のペンネームを名乗る女性漫画家と間違えられた、と書いています。

この『卒業証書』は、女性の話なので例外ですが、他の作品を見ると、私は、思いっきり男性だと思いました。

どう見ても、男性の妄想が前提です。

こうであればいいなあという、ね。

それとも、昭和40年代中頃は、まだ女性もこんな感じだったのかな。

ドラマなどでも、「どんな星の王子さまと出会えるか」が、幸せの指標でしたからね。

昭和の二大おばけホームドラマである『ありがとう』第2部とか、『だいこんの花』ってそんな感じでしたよね。

『ありがとう』は十年一日のようなホームドラマから時の移ろいを表現し、星の王子様に嫁ぐ主人公の幸福でお化け番組になった
『ありがとう』(1970年4月2日~1975年4月24日、テレパック/TBS)といえば、昭和のテレビドラマ史に金字塔を打ち立てた名作ドラマである、Facebookでは、その『ありがとう』について振り返られていたので、それをご紹介したい。

『ありがとう』第2部は、今も最高視聴率、56.3%

『だいこんの花』は、森繁久彌(父親)と竹脇無我(息子)の“父子家庭”で、相手役は第一部が、しつけのできていない、がさつなお手伝いさん(川口晶)、第二部が親のいない調理師(関根恵子)、第三部が離婚歴と連れ子のある女性(川口晶)、第四部が水商売の女性(いしだあゆみ)、第五部もいしだあゆみでした。

一方の竹脇無我は、いずれもエリートサラリーマン。

要するに、昔のような格や釣り合いでみたら、選ばないのではないかと思える関係に描かれています。

ドラマのタイトルは、「だいこんの花のように清楚で美しかった亡き妻(母)」という父子の思いを表現したものです。

森繁久彌は、いつも息子に「だいこんの花のような女性と結婚しろ」と言っています。

しかし、ヒロインのキャラクターは、一見それとは全くかけ離れた女性たちです。

でも、見かけはそうではなかったけれども、心は「だいこんの花」だったことに気づき、“身分違い”を克服して結婚するという展開です。

当時(昭和40年代)はまだ、女性の幸せが、どんな星の王子様と結婚できるか、ということにあったのでしょう。

女性に希望をもたせ、男性の“度量”を見せることで、お茶の間の庶民に夢と希望と感動を与え、人気を獲得したのでしょうね。

私が成人してからは、トレンディドラマが流行しましたけど、女性の方がむしろお盛んでしたよね。

たとえば、『男女七人秋物語』は、明石家さんまと大竹しのぶが恋人同士だったのに、マイケル・ジャクソンの取材をするからとアメリカに行ってしまい、挙句の果てに別の男性(柳葉敏郎)と暮らしているのです。

そればかりか、やっぱり明石家さんまのほうが良くなり、せっかく明石家さんまが岩崎宏美との関係を深めつつあったときに、今度は大竹しのぶは岩崎宏美から明石家さんまを横取りしてしまうのです。

『来て!見て!感じて!』(海竜社)は、脚本家の鎌田敏夫さんが生み出した名作や名台詞の背景となった自身の生活や考え方エッセイ
『来て!見て!感じて!』(海竜社)は、脚本家の鎌田敏夫さんが生み出した名作や名台詞の背景となった自身の生活や考え方をまとめたエッセイです。ドラマの作り手は、生きるためにセリフを書き、セリフは過去への懺悔であり明日への希望でもあると綴っています。

あ、もちろん役の上の話ですよ。

それにくらべると、みやわき心太郎純愛物語は、すごく男性にとって都合のいい話ばかりだなあと思いました。

そういう意味では、私も男性ですので、こういう話を心地よいと思うし、昭和に帰りたいと思いますね(笑)

以上、みやわき心太郎純愛コレクション1~4(みやわき心太郎著、グループゼロ)は、男女間の恋愛を「心」の部分にフォーカスした物語、でした。

みやわき心太郎 純愛コレクション1 (マンガの金字塔) - みやわき 心太郎
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