『グーグル検索だけでお金持ちになる方法』(午堂登紀雄、光文社)は『貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』とのサブタイトル付きです。表紙には、「人生を左右する『お金持ちの検索キーワード』と『貧乏人の検索キーワード』」と書かれています。
経済格差は検索格差
『グーグル検索だけでお金持ちになる方法-貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』は、午堂登紀雄さんが光文社から上梓しました。
たんなるネットサーフィンを効率的に楽しむための検索指南ではなく、サブタイトルの通り、検索をマネタイズにつなげられるかどうか、という話です。
著者の午堂登紀雄さんについては、以前、『1つずつ自分を変えていく捨てるべき40の「悪い」習慣』という書籍をご紹介したことがあります。
『グーグル検索だけでお金持ちになる方法-貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』の表紙には、「人生を左右する『お金持ちの検索キーワード』と『貧乏人の検索キーワード』」と書かれています。
そして、「経済格差は検索格差」であるとも。
つまり、現代の格差社会に生き抜くための検索指南といったところでしょうか。
一応、そもそも論から述べておきますと、グーグル検索というのは、GoogleとともにYahooも採用している、単語等による検索で、ネット上の該当するウエブページを表示するサービスのことです。
検索語句を入力すると、検索結果としてブログを含めたサイトの該当ページがズラズラっと表示されます。
他社の検索エンジンもありますが、ネットユーザーの9割以上は、グーグル検索を使っていると言われています。
このサービスをうまく利用すれば、つまり検索する言葉次第では、常識的にはあり得ないアイデアや情報、書籍や雑誌にも書かれていないような知識を得て、自分自身の理性や暮らしを飛躍的に豊かにすることができる、というのが、『グーグル検索だけでお金持ちになる方法』の内容です。
すべての行動を収益化する
本書によると、午堂登紀雄さんは、新聞もとらず、どちらかというと引きこもりだそうです。
ただし、引きこもっている時間は、「生き方」「仕事」「お金」などについて、ネットサーフィンを積極的に行うことで、自分の思考や判断を豊かにしているそうです。
といっても、楽しそうなページをなんとなくあちこち眺めているだけでは、たんなるタイムイーター(時間の浪費家)です。
調べたい目的をはっきりさせ、関連情報を次々サーフ。
それによって新たな検索キーワードが浮かんでくるので、それをまた検索して広げていく。
すると、自分が思いもよらなかった情報やキーワードにたどり着くことがあるそうです。
午堂登紀雄さんが、そうした有意義な検索活作業で目指しているのは、
- すべての行動を収益化すること
- 現金を使わない生活を意識する
だそうです。
では、具体的に「検索格差」の「勝ち組」になり、「すべての行動を収益化する」にはどうすればいいと書かれているのかをご紹介します。
企業のマーケティングやプロモーション検索
わかりやすいところでは、企業のマーケティングやプロモーション検索。
「モニターで無料」「今回だけタダ」「商品名+激安もしくは無料」「○○+特典」などで検索することで、同じ商品をより安く(場合によっては無料で)、さらにおまけ付きで得ることができます。
同じものを買うのだったら、安かったり、特典がついたりしている方がいいですよね。
午堂登紀雄さんは、家庭の消耗品はほぼタダで購入しているそうです。
保険は自己アフィリで「相談」の報酬を得る
保険加入は、アフイリエイトサイトを使うと、相談するだけで1万円ぐらいもらえるのでそこを絡ませ、貯蓄型に加入。
書籍はアマゾンで購入後、読み終わったらマーケットプレイスで売却して、保存コストをかけず書籍本体のコストもなるべく回収するそうです。
まあこれは、おそらく私たちも経験済みですね。
クレカ払いでポイ活
午堂登紀雄さんは、それだけでなく、商品購入をクレジットカードやポイントサイトなどから購入することにして、それらのポイントやキャッシュバックも獲得。
実質的な支出を究極まで減らしています。
そのために、たとえば、クレジットカード各社のポイント比較を、レポートしている個人ブログを検索して参考にしているとか。
本書では、具体的にどんなカードやポイトンサービスを経由して購入するといいか、というノウハウも公開されています。
この部分だけでも、本書は価値があります。
ポイントサイトでコツコツ貯める
私たちが、お小遣い稼ぎに利用するポイントサイトなども出てきます。
これはたしかにバカにならないんですね。
私も、あるカードを何年間かポイントを気にせず使っていましたが、そこで発生した「永久不滅ポイント」が万単位で溜まったのです。
そこで、Tポイントに振り替えて、定額レンタルDVD(TSUTAYA DISCAS)の利用料に1年以上あてています。
それを使って、300タイトル以上鑑賞できました。
「国の思考を読もうとする」行為
もっとも、こうしたノウハウだけですと、これまでにもあった「主婦の節約術」を、より精緻にしただけの話ですが、もちろんこれだけではありません。
ろしろ、ここからが午堂登紀雄さんの真骨頂です。
ネットで、老後までの確実な人生設計を構築し、社会を読み取ってしまおうとしています。
午堂登紀雄氏さん、本職の米国公認会計士・経営コンサルタントの専門性を活かして、確定拠出年金、NISA(少額投資非課税制度)、ゼロ円で建てる住宅など、生涯の生活設計に関わる「お得なノウハウ」も解説しています。
さらに、同書の第3章では、「国家や企業が考えていることを検索する」ことも標榜しています。
曰く、相手の巨大な力を利用して利益を上げる合気道のようなマネー戦略です。
「相手の力を利用する」発想とは、「相手の思考を読もうとする」という行為です。
たとえば、政府が行う「政策」「制度」は、基本的に国民や企業をある方向へ誘導しようとする行為。
その手段として、補助金や助成金などがバラまかれたり、税金の優遇措置が行われたりすることがあり、しかもその金額や条件は莫大なもの。
この“バブル”にうまく乗れれば、濡れ手に粟で有利な状況を得られる可能性が高まるとしています。
わかりやすいところでは、2012年に自由民主党総裁に返り咲いた安倍晋三さんは、民主党政権が倒れる前から、「金融緩和によるデフレ脱却・インフレ誘導」を主張していましたが、その時点で政権交代後の「円安」や「株価上昇」を先読みできたはずだとしています。
また、政府の○○会議は、官僚が何を考えているかを想像できるといいます。
そうした動きをネットで検索するわけです。
「僕は反自民だから、自民党の政策で美味しい思いなんかしたくないよ」という考え方はあるかもしれません。
しかし、私たちは、何党が政権を取ろうが、その時代を生きていかなければならないのです。
政策に対する論考や賛否の表明と、その政策が施行された時の“じょうずな対応”を両立させることは、決して矛盾した行為ではないということを著者は述べているわけです。
あり得ない検索ワードで調べることが必要
こうした検索長者になるためには、“ありふれた検索”では“ありふれた答え”しか出てこないので、ときにはあり得ない検索ワードで調べることが必要だといいます。
「キーワード」選びの発想を広げるわけです。
本書によると、「キーワード」選びの発想を広げるには、先入観を捨て、自分とは異なる価値観を受け入れることだといいます。
ニュースや事象を、多面的に考察できるようにするためです。
ネット民の一部には、自分と意見が違う人を徹底的に叩く癖がありますが、偏狭で感情的なネットリテラシーでは低級すぎてダメなのです。
検索行為にはお金は一切かかりません。
つまり、検索長者とは、元手ゼロで始まるプロジェクトと言ってもいいと思います。
興味のある方は、ぜひ本書で詳細をご確認ください。
以上、『グーグル検索だけでお金持ちになる方法』(午堂登紀雄、光文社)は『貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』とのサブタイトル付き、でした。
コメント