サラリーマン金太郎(本宮ひろ志著、サード・ライン)は、1994年~2002年まで『週刊ヤングジャンプ』に連載された人気漫画作品

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サラリーマン金太郎(本宮ひろ志著、サード・ライン)は、1994年~2002年まで『週刊ヤングジャンプ』に連載された人気漫画作品

サラリーマン金太郎(本宮ひろ志著、サード・ライン)は、1994年~2002年まで『週刊ヤングジャンプ』に連載された人気漫画作品です。従来のサラリーマンとは一線を画した矢島金太郎が、企業戦士としてサラリーマン業界を駆け抜ける姿を描いています。(文中敬称略)

本作『サラリーマン金太郎』は、Kindle Unlimitedの読み放題リストに入ったので、第1部(1~21巻)を読みました。

従来のサラリーマンのイメージとは一線を画した主人公・矢島金太郎が、企業戦士としてサラリーマン業界を駆け抜ける姿を描いています。

その後、アニメ化やテレビドラマ化もされ、多くのファンを獲得しました。

高橋克典でドラマ化されましたね。

高橋克典は、やはり「不良」が会社で活躍する『特命係長 只野仁』も演じました。

あちらは、別に駆け抜けるわけではなく、表の顔は閑職サラリーマンで、裏の顔として会長に頼まれて事件を解決する話でしたけど。

矢島金太郎は、かつては暴走族のリーダーを務めていたという荒くれ者で、並外れた正義感と行動力の持ち主です。

彼はまったくサラリーマンらしくない性格と態度で、どんな困難にも真っ向から立ち向かいます。

彼の信念と熱意は周囲の人々を巻き込み、仲間たちに多大な影響を与えます。

今改めて読むと、ぐいぐい惹きつけられ、なるほど人気があるのはわかるな、と思います。

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国民総「サラリーマン病」に一石を投じる


盲目の妻を亡くし、一人息子と暮らしていた金太郎が、ひょんなことから大手建設会社「ヤマト建設」の会長を助け、それが縁で同社に就職するところから始まります。

このへんも『只野仁』、出会いについては『釣りバカ日誌』のハマさんとスーさんにも似ていますね。

金太郎は、上司や同僚たちとぶつかり合いながらも、次第にその行動力と誠実さで周囲の信頼を得ていきます。

金太郎は、企業の内部改革や労働者の権利向上、そして国際的なビジネスの問題など、多岐にわたるテーマに挑戦します。

『サラリーマン金太郎』は、ビジネスやサラリーマンの世界での人間関係や葛藤を描きながらも、主人公の熱い心と信念がもたらす「変革」や「挑戦」をテーマにしています。

本作品は、金太郎の強い意思と行動力が日本の伝統的なサラリーマン像を打ち破り、時には組織の中で一石を投じる役割を果たす様子を示しており、読者に勇気を与える内容です。

ストーリーは創作ではありますが、ディテールにはリアルなことが描かれています。

たとえば、日本人の横並び意識の病理を、「サラリーマン病」と斬っているのは痛快です。

「組織の中に自分を埋没「させ」、集団という隠れ蓑に隠れ、個人の責任をなるべくとらないように、弱気に、周囲との協調ばかりを図ってきた、無難に、無難に、社会の常識からはずれぬよう……マイナスポイントを持たぬよう……」(金太郎の上司のセリフ)

埋没してしまうのではなく、自分から好き好んで埋没していると言っているのです。

その方が楽だから。

しかし、右肩上がりではなくなった現代では、国民総「サラリーマン病」では、日本は沈んでしまう。

気をつけなければならないのは、埋没するだけでなく、そんなとき、威勢の良さそうなことをいう「ポッと出」の人物が、本物とは限らないのに、チヤホヤされる。

かつて自民党のドンと対決すると言い張ったのに自民党に助けてもらっている現東京都知事然り。前回の都知事選に出た銀行員上がりでも経済音痴の広島の一地方首長だった人然り。「安楽死」で医療費を削減と言った動画がはっきりと残っているのに、それをなかったことにしてとぼける人然り。

まあね、誰を選んだらいいか、選択肢の貧弱さに悩む昨今の選挙なんで、誰を選んでも問題は何かしらあるんでしょうけどね。

そうでない人物として、矢島金太郎が描かれています。

読んでいて、金太郎について、「そんなところで喧嘩するなよ」なんて思ってしまうシーンもありますが、金太郎がやりすぎなのか、私も「サラリーマン病」なのか。

そんなことを考えさせてくれます。

衝撃の混浴シーンも考えさせられた(笑)


矢島金太郎が人の心をつかみ、出世するためのコツを、ChatGPTに聞いてみました。

1. 強い信念と情熱
– 金太郎は信念を持ち、困難に直面しても決して諦めない姿勢を貫きます。会社のためや仲間のために全力を尽くし、その情熱が周りに伝わり、人々に感動を与えます。誠実で信念を曲げない姿は、多くの人に信頼される要因です。

2.正義感と行動力
– 不正や理不尽なことに対しては、どんなにリスクがあっても立ち向かいます。特に部下や同僚が不当な扱いを受けた場合は、上司や経営陣に対しても果敢に意見を述べます。このような勇敢さと正義感が周囲の人々からの尊敬を集め、彼に協力しようとする仲間が増える要因です。

3.相手への思いやりと共感力
– 金太郎は相手の立場に立って物事を考える力があります。仲間や取引先の人々に寄り添い、彼らの気持ちや悩みに耳を傾けることで信頼関係を築いていきます。単なるビジネスライクな関係ではなく、心の通ったつながりを大切にする姿勢が、人を惹きつけます。

4.粘り強さと忍耐力
– 簡単に諦めず、粘り強く物事に取り組む姿勢も彼の魅力の一つです。困難に立ち向かい、何度もチャレンジを続けることで結果を出し、上司からの評価も得ています。また、周囲の人もその姿を見て勇気をもらい、自然と金太郎を応援するようになります。

5.独自の発想と行動
– 常識にとらわれず、自分のスタイルで問題を解決していくのも金太郎の強みです。会社でのルールや常識に縛られず、周囲が驚くような大胆な行動を取ることで、成果を出していきます。こうした大胆さや行動力が、結果として新しい風を会社にもたらし、彼の出世につながっています。

……とのことです。

後に夫人となる、盲目の恋人が強カンされても名乗り出た連中をお咎めなしにしたり、チカンを追いかけて自宅まで追い詰めたのに警察には突き出さなかったりなど、「詰めを欠く」ところがあるのですが、それによって相手は金太郎に付き従うようになります。追い詰めてしまうと、逆に恨まれることもあるから、という人間関係のあり方についてひとつの見識になっています。

そういう人心掌握術もあるかもしれませんが、強カンの方は自分のことではないのですから、自分の独断で許すのはちと賛成できませんけどね。

あと印象深いのは、第2巻で、金太郎を息子のようにかわいがっている会長の別荘で、金太郎と会長夫人が一緒にオフロに入っているのですが、かつての温泉番組の内海桂子師匠のように、タオルも巻かずマッパダカで金太郎と堂々混浴しているんです。

推定年齢はまだ60代前半だと思うのですが、えーっ、もう異性に対する「恥じらい」も卒業したのかと大変な衝撃を受けました(笑)

いくら息子のようにかわいがっているといっても、養子でもなく、なんのつながりもない他人の男に過ぎないのに。

会長は、なんとも思わないのでしょうかーっ!

今は60代でもまだまだ若いですよね。

故・安西マリアは、還暦過ぎてヘアヌードやってましたよ。

と、コーフンする私もその世代になりましたが、いつまでも若いつもりで、感覚がズレてしまっているのかもしれません。

このように、本作は見どころ、考えどころに満ちた力作です。

無料リストに入っている今のうちに、ご覧になることをおすすめします。

サラリーマン金太郎、リアルタイムで読まれましたか。

サラリーマン金太郎 第1巻 - 本宮 ひろ志
サラリーマン金太郎 第1巻 – 本宮 ひろ志

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