『ジャニーズ・レコジャケ OTAKARAファイル』(鹿砦社)は、1960年代のジャニーズ、70年代のフォーリーブス、郷ひろみ、80年代のたのきんトリオ、シブがき隊、少年隊、光GENJI、男闘呼組など歴代人気スターのレコード・ジャケット100枚と解説の書です。
ジャニーズ事務所とはなんだ
ジャニーズ事務所は、文字通りジャニーズ4人組のマネジメントを行うために、ジャニー喜多川が創業した芸能事務所です。
ジャニーズの4人といえば、中谷良三(中谷良)、青井輝彦(あおい輝彦)、飯野修賓(飯野おさみ)、真家弘敏(真家ひろみ)のことです。
書籍(『ジャニーズの逆襲』データハウスなど)によると、中谷良三、青井輝彦、飯野修賓の少年3人が、明治神宮の米軍基地へラジコン飛行機を飛ばしに行って、アメリカ大使館軍事顧問の喜多川接(ひろむ=ジャニー喜多川)と知り合ったことになっています。
「『ぼくたち!何してるんだ』ハッとして振り向くと、そこに端正な顔だちの青年が立っていたのです。私は息をのみました。『やばいぞ。怒られる』」(中谷良『ジャニーズの逆襲』データハウス)
ジャニー喜多川が目指したタレント像は、歌って踊れる中性的美少年、今で言うアイドル。
いったんは、グループサウンズの隆盛でジャニーズは解散しましたが、フォーリーブスのデビューで再び盛り返し、その後、多少の浮沈期はありましたが、田原俊彦、近藤真彦、野村義男のたのきんトリオのブレイク以降は、順調に売れっ子タレントをふやし、今や巨人軍を超えるほどの年商を誇る巨大芸能事務所に発展しました。
本書『ジャニーズ・レコジャケ OTAKARAファイル』(ジャニーズ研究会編著、鹿砦社)は、男闘呼組までの歴代人気タレントたちの持ち歌レコードジャケット100枚(曲)について、原寸で掲載。
その全てに歌詞、レコード情報、コメントを付しています。
レコードジャケットが登場するタレントたち
本書『ジャニーズ・レコジャケ OTAKARAファイル』に登場するジャニーズタレントを枚挙します。
中谷良、あおい輝彦、真家ひろみ、飯野おさみ(以上ジャニーズ)
北公次、江木俊夫、青山孝、おりも政夫(以上フォーリーブス)
永田英二、
小谷純、やなせかおる、行田和彦、岡典雄(以上ジュークボックス)
郷ひろみ、
小坂まさる、近藤純市、山県孝良、鈴木寛、柏木孝夫、吉田義久(以上メッツ)
豊川誕、井上純一、川崎麻世、葵テルヨシ、中村繁之、
田原俊彦、近藤真彦、野村義男、曾我泰久、加賀八郎、衛藤浩一(以上たのきん、THE GOOD-BYE)
東山紀之、錦織一清、植草克秀(以上少年隊)
本木雅弘、薬丸裕英、布川敏和(以上シブがき隊)
内海光司、大沢樹生、諸星和己、佐藤寛之、山本淳一、佐藤敦啓、田代秀高、赤坂晃(以上光GENJI)
成田昭次、高橋一也、岡本健一、前田耕陽(以上男闘呼組)
「はじめに」より
「私たちが悲しい時、嬉しい時、そこにはいつも歌がありました!」
歌番組にありがちなこのフレーズは、けれんはかかっているが正鵠を射たものだ。「歌は世につれ世は歌につれ」と言うように、人々の心をとらえる歌にはその理由があり、また世相もある。それは同時に、ジャケットに対しても言えることである。
かつて歌手の表現手段といえば、テレビやラジオなどの放送媒体以外にはレコードが唯一だった。そのため、シングルレコードジャケットには、写真やタイトル文字などにおいて曲やタレントをめいっぱい表現するための様々な表現手段が採られ、それ自体が立派なプロモーション活動になっていた。
現代はCDやDVDのような音盤からさらに一歩進み、MP3のようなデータ形式で音楽がネットを流通する時代である。しかし、個人ブログではいまだにレコードジャケットを懐かしみ、そのデザインを論評するものが少なくない。いくらネットが発達しても、人間が形のあるモノを訴求する価値観を失わない限り、レコードジャケットは時代を超えて光をあてるべき対象なのである。
さて、1960年代から半世紀近くを突っ走るジャニーズ歌謡の歩みは、まさに日本の歌謡史、そして社会史を語るものといえる。その貴重な証は、当時のレコードジャケットから伺うことができる。
当時のジャニーズ事務所を支えてきた歴代看板タレントたちの、デビュー曲やヒット曲、エポックメーキングな曲、懐かしいあの人の曲、主題歌・挿入歌などから、ジャケットのデザイン、リリースの背景、セールスや市場の影響などとくに印象深いものを拾い出し、その特徴を見ていこう。そこには現在のジャニーズタレントたちの原点が見えてくるはずだ。
というわけで、懐かしさとともに、ジャニーズ事務所の足取りを改めて確認できる一冊となることでしょう。
以上、『ジャニーズ・レコジャケ OTAKARAファイル』(鹿砦社)は男闘呼組までの歴代タレントのレコード・ジャケット100枚と解説、でした。
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