世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた(中野信子著、アスコム)は、脳を活用してパフォーマンスを最大限発揮する31の方法をわかりやすく紹介しています。世界で通用する「頭のいい人」とは、ただの秀才ではないのです。
本書は、東京大学大学院、フランス国立研究所、MENSA(世界で上位2%の高IQ者の集まり)などで、世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者の中野信子さん。
「世界で通用する、本当に賢い人達」が実践している、脳を活用してパフォーマンスを最大限発揮する31の方法をわかりやすく伝える書籍です。
本書によると、世界で通用する「頭のいい人」は、
「空気は読まない」
「自分に適度なストレスを与える」
「嫌いな仕事は他人に振る」
「集中力を身につけない」など、ちょっとしたコツやテクニックを使っており、それらは実は、脳科学的にも理に適っていることばかりだそうです。
「少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできる&仕事や勉強に使えるコツが満載です!」とのことです。
要するに「頭のいい人」は見栄をはらない
テレ朝 ニューススクランブルのコメンテーター中野信子
えっ、同姓同名を採用したのかと思いきや、鼻と顎をリフォーム!? pic.twitter.com/Yvu3yVzw9w— Yonaoshi (@yonaoshi) August 30, 2024
以下、私自身が、教訓的に「そうだよな」と膝を叩いたことをいくつか抜粋してみます。
できる人は「普通の人のふり」をする
凡夫は逆に、自分が大したことないのがわかっているから、逆に見栄を張ることに時間とエネルギーを注ぐ。
そんな時間とエネルギーがあるんだったら、本当の「できる人」になる努力に向けろよ、と思いませんか。
たとえばこういうブログでも、トップページが重くて、キャッチコピーやタイトルで気持ち悪いぐらいに自己宣伝している人っているでしょ。で、中の記事読んでみると、知識も経験も感じられない世間知らずのポエムだったりする。
あれは逆効果なんだけどね。意味分かんないです。
できる人は「負けること」で能力をアピールする
以前も、ひろゆきさんのことで書きましたが、
「論破する」のが頭が良いと考えるのは認識が違うと思います。
もちろん、そういう見る目のない凡夫の前で「負ける」素振りを見せることは、イメージを悪くするリスクもありますが、中野信子さんがいうには、「あえてリスクを追うことで高い能力を証明するのは、進化生物学などでもよくいわれることで、孔雀の羽やフラミンゴの体色の話と通じるところがあるそうです。
「例えば、ビジネスやスポーツの場面で、意図的に負けることで相手に油断させたり、自分の本当の実力を隠すことができます。これにより、重要な場面で一気に実力を発揮し、相手を驚かせることができます。この戦略は、知恵や戦略的思考の高さを示すシグナルとなり得ます。」(Copilotより)
できる人は「儀式」を行なう
勉強する時、いきなり始めても調子が出ない。
そんなとき、凡夫はいつまでもダラダラYouTubeを見てしまいますが、「できる人」は、脳が勉強のための準備を始める儀式を行うそうです。濃いコーヒーを飲む。簡単な整理整頓を行なう。それを習慣づけることで、脳が「よし、はじめるか」とスタンバってくれるそうです。
できる人は笑顔で主張を押し通す
人の話をよく聞き、物腰が柔らかで笑顔を絶やさず、でも主張は曲げない。
喧嘩腰ではなく相手を尊重することで、有効的な関係が長続きする。
反対に、凡夫はイキんで相手の話も聞かず、一方的に自分の言い分を並べ立てるので、相手を刺激する。しかもそれは、わざわざ相手に全ての手の内を見せる悪手であり、あっという間に論駁(論破ではない)されてしまうのが関の山です。
できる人は両者の得を考える
誰かの役に立つと、脳は快感を覚える性質があるといいます。
これは、先日、「仏教の利他的善行は、脳科学によって寿命が伸びることが証明された」でもご紹介しました。
世の中は、ギブ・アンド・テイクなのです。ですから、そもそもテイクだけの人は論外。
さらに、自分が先行してギブすることで、相手にも信用され、自分にも「果報」があるというわけです。
たとえば、こうしたブログでも、記事に対して自分の視点で誠実なコメントをされる方は、ブロガーとして信用されるだけでなく、自分自身も「気づき」や脳トレになります。
ひっそり見るだけ。面白そうな情報が書いてあったら、こっそりいただこう、というセコイ人は、たぶん何も身につかないと思います。
人って、やっぱり「テイク」だけは身につかず、エネルギーの応酬の中で何かを得るんですよね。勉強するときも、ただ音読するのではなくノートに書くとかね。呼吸だって、吐いてから吸うでしょ。
私が、こうしてブログで書籍レビューを書いているのも、読むというインプットだけでなく、記事で紹介するというアウトプットがあってこそ、本のエッセンスが身につくと考えているからです。
相手の身になって考えられるかどうか
脳科学者の中野信子さんと、若い頃の金沢碧さんは似てると思いました。 pic.twitter.com/LJTyky4CzB
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 28, 2024
……ということで、こんなお話がたくさん書かれています。
この手の本は、これまでにもたくさんありましたが、やっぱり中野さんは、ご自身の知能が高いだけでなく、伝え方がうまいですね。
この世に秀才と言われる人はいろいろいますが、すべてが中野さんのように知的なハウツーをわかりやすくリアルにかけるとは限りません。
東大出ても、ブログの下手な人とかいるでしょ。
相手に理解しやすいように書けないという。
その違いって、やっぱり自分と他者の位置関係をちゃんと理解しているかどうかだと思いました。
他人の身になれない利己的な発想でも、相手のペースに引きずられる気の弱い人でも駄目です。
なかなかむずかしいですが、こればかりはたくさんの経験を積むしかないでしょうね。
しかし、時間には限りがあるから、自分でできる経験なんてたかが知れています。
その意味でも疑似体験という意味で、手前味噌ですが、読書でいろいろな人、特に成功者の話から学ぶのがいいのではないかと思います。
特命係長 只野仁のように、「できない人」のフリはできますか。
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