人をひきよせる天才 田中角栄【合冊版】(木村周司/著、田中京/読み手、カルトコミックス)は、田中角栄の総理になるまでを漫画化したものです。巻末に田中角栄さんの格言集、そして本誌監修者である息子の田中京さんのインタビューを掲載しています。
本書は、多くの政治家・国民の心をつかんだ天才・田中角栄に焦点を当てた漫画作品です。
本作は、戦後日本を作った天才政治家の生い立ちから、総理になるまでの偉大な足跡を、実子である田中京さん監修で完全書き下ろし漫画化しています。(Amazon販売ページより)
田中京さんは、田中角栄さんと神楽坂の芸者・辻和子さんの間にできた辻さんの長男(非嫡出子)です。
田中角栄さんと辻和子さんの間には、3人(男子2人)の子をなしています。
田中角栄さんは、夫人との間に男児を成しましたが、夭逝したために、愛人との間に生まれた子供を認知し、とくに男児2人は可愛がりました。
が、あとをついで政治家になったのは、長女の真紀子さんだけだったですけどね。
田中夫人は、子連れ(娘)の再婚だったので、真紀子さんを次女と紹介する人もいますが、それは間違いです。
連れ子の娘は、田中角栄さんにとってはあくまで「養女」であり嫡順はつきません。
以前、Facebookで、真紀子さんを「次女」と知ったかぶって紹介している奴がいたので、「そうじゃないよ」と教えて差し上げたのに、「揚げ足を取った」とか、ハチノアタマとかむくれていました。
揚げ足じゃなくて、民法でそうなっているんですからね。
仏教の心得を感じる語録
一昨日、YouTubeチャンネルの『偉人エピソード』をご紹介しました。
たぶん、田中角栄の動画のシナリオは、本書も参考にしているのではないかと思います。
本書は、幼年時から総理大臣になり、日中国交正常化を締結するまでを描いています。
詳しくは、本書をご覧ください。
そして、巻末の語録集も、なかなか興味深いものです。
初めに結論を言え。
理由は、3つに限定しろ。
この世に3つでまとめきれない大事はない。
結論が出たら、すぐに実行するのが私の流儀だ。決断と実行。
メシ時にはしっかりメシを食え。
シャバはいいことが少ない。
それを苦にしているようではダメだ。
腹が減っていては、大事な時に戦はできない。
人生で重要なのは「間」だ。
イノシシのように一本調子なのは、うまくいかない。
よく人間を観察しなければならない。
世の中は白と黒ばかりではない。
敵と味方ばかりでもない。
その間にある中間地帯、グレーゾーンが一番広い。
真理は常に「中間」にある。
思うに、田中角栄さんは、仏教の心得がありますね。
人生が一切皆苦であること、中道こそが真理であることは、仏教の教えそのものです。
お子さんを2人亡くされているので、生きるとはどういうことか、を考えたんでしょう。
初めに結論を言って、理由を簡潔にまとめる。
これは私も心がけています。
真紀子さんが政治家として成功しなかったのは、たぶん、「敵と味方ばかりでもない。」ということが理解できなかったからでしょう。
伝え聞いたところでは、むしろ、誰が敵で誰が味方かをいつも「仕分け」していたらしいですから。
敵が多いというのは、むしろチャンスなんですけどね。
その敵の陣地にくさびを打ち込み、味方に引き入れられるかどうかが、為政者として成功できるかどうかの最大のポイントであり、敵の陣地が広い程、大胆に楔を打ち込めるのですから。
今太閤のポテンシャリティ
真のリダー
田中角栄氏
中川昭一氏
橋本龍太郎氏
石井紘基氏
国の為 国民の為 そして
自らの正義感の為に戦い
犠牲となった方々と認識しています pic.twitter.com/DQwOuV3gZV
— 369不動 (@N4er5BANKPkQFQe) June 22, 2024
田中角栄さんは、たしかに最終学歴は高等小学校です。
ただし、土建会社の社長は、それだけではできません。
上京して、働きながら、中央工学校の土木科を卒業しています。
だから図面も書けるし、土木施工管理の仕事も請け負えるわけです。
今で言うなら、工業高校か、専門学校ぐらいかな。
でもまあ、高等小学校しか出ていない、という方が、今太閤としてはドラマチックですよね。
政治家は、官僚の場合国立大学卒が多いので、党人はむしろ、逆詐称で自分を目立たせる方法もありかもしれませんね。
菅義偉前総理は、集団就職で夜学に入ったとかマスコミに紹介されていましたが、違和感ありませんでしたか。
集団就職って、普通中学を出て上京した人を指しますよね。
夜学というのも虚偽で、法政大学法学部政治学科卒業です。
ても、政治家としてGMARCH卒では地味なので、苦学生を装ったのかなという気がします。
実際には、父親は地方議員で農業も成功した名士だったそうですし。
それはともかくとして、昨今は田中角栄さんのような政治家待望論になっていますが、50代以上でないとたぶん、名前ぐらいしかわからないと思います。
そんな方には、本書を読まれることをおすすめします。
以上、人をひきよせる天才 田中角栄【合冊版】(木村周司/著、田中京/読み手、カルトコミックス)は、田中角栄の総理になるまでを漫画化、でした。
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