反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 Kindle版
反応しない練習(草薙龍瞬著、KADOKAWA)は、あらゆる悩みはたったひとつのことから始まっており「消す」ための「方法」がある、とする原始仏教の啓蒙書です。あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」というサブタイトルが付いた人気書籍です。
『反応しない練習』は、草薙龍瞬さんがKADOKAWAから上梓した書籍です。
『あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』というサブタイトルが付いています。
この世の中を生きていく上で、いろいろな悩みがつきもの。
全ての悩みは、たったひとつのことから始まっている。
それがわかれば、正しく考える、それだけで、どんな悩みも必ず解消する。
悩ましい現実を作り出しているものは、“心の反応”であるといいます。
そのためにはどうすればいいのか。
タイトルに『反応しない練習』とあるように、それが書かれているのが本書です
本書は2022年9月12日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
悩ましい現実を作り出しているものは“心の反応”
あなたは、心に悩みや、心配事や、間尺が合わないと感じることがありますか。
まあ、ない人はいないでしょうね。
原始仏教の仏陀(悟りを開いた人)によると、人間には8つの苦しみがあるといいます。
厭わしい者と出会うこと(5)、愛する人と別れなければならないこと(6)も、苦 しみである。 求めるものを得られないこと(7)、ままならない人間の心 (8)もまた、苦しみである。(ブッダ最初の説法 マハーヴァッガより)
その悩みについては、なくそうとするのではなく、「人生には悩み・問題がつきものなのだ」とその存在を理解するのだといいます。
そして、悩みがある⇒悩みには理由がある⇒悩みには解決策がある
という思考をする。
要するに仏教は、〇〇を信じれば救ってもらえるという宗教ではなく思考法であるといいます。
仏教が、他の宗教と違うのはそこですよ。
では、我々が抱える悩み・苦しみの原因とはなにか。
本書によれば、悩ましい現実を作り出しているものは“心の反応”であるといいます。
心の反応とはなにか。
では、この「心の反応」は、何をもたらしているでしょうか。ついカッとなった怒りをぶつけて、人間関係を壊してしまう。大事な場面で、つい緊張してしまって、能力を出せずに失敗してしまう。忌まわしい過去をつい思い出して、「あのときああしていれば」と 苦い後悔に沈んでしまう。つい考えすぎて「やっぱり自分はダメな人間だ」と落ち込んで しまう……これらも、全部「反応」です。
ですから、わたしたちが日々心がけなければならないことは、「ムダな反応をしない」ことに尽きるといいます。
といっても、人間に心がある限り、心が正常に反応する限り、喜怒哀楽を消すことはできません。
もちろん、本書は心を喪失しろと言っているのではなく、「ムダな反応」だけを指摘しています。
では、本書の言う「ムダな反応」はどうやって取り除くのか。
その方法の詳細が本書には書かれているのです。
「反応」する前に「理解」する
本書では、以下のことを「ムダな反応」としています。
- 動揺しない
- 落ち込まない
- 腹が立たない
- プレッシャーを感じない
- 緊張しない
- 後悔しない
- 不安を感じない
悩みを増やしてしまうような反応をしない。
怒りや不安など、暗い気持ちになったら、さっとリセットすることです。
といっても、本書は、「ムダな反応」だからといって、
我慢すること、
無視すること
無関心でいること
だとはいっていません。
あくまでも、
心の反応をみる
合理的に考える
ということです。
それにはまず、人間には
満たされなさ
生きづらさ
憂鬱な気持ち
などがあると認めることだといいます。
受け入れるまは大変なこともある?
本書によれば、受け入れるのではなく、「ある」と認めることだそうです。
私には悩みがある、と自覚することです。
それによって、ではどうすれば解決するか、と一歩進めて考えることができます。
苦しみをもたらしているものは、快(喜び)を求めてやまない“求める心”なのだ。(初転法輪経 サンユッタ・ニカーヤ)
その上で、ではなぜ、こんなに反応するのか?
冷静に考えることです。
それが何かがわかっただけでも、心は落ち着きます。
良し悪しを判断しない
本書は、人が病んでしまう理由の一つは、「判断しすぎる心」にあるといいます。
もしムダな判断をしなくなれば、心はすっきりと軽くなります。人生はスイスイと渡りやすくなるといいます。
判断は、自分の性格にも影響するといいます。
「こうでなければ」という思い込みは、「潔癖さ」や「完璧主義」「頑張りすぎてしまう」性格や、「自分はダメな人間だ」という自己否定のレッテルを作り出してしまう。
「どうせ失敗するに決まっている」「わたしにはそれだけの能力がない」と、ひとりで「結論を出してしまっている」こともありますが、本書によればこれねも「判断」だといいます。
彼は、良し悪しを判断しない。判断によって心を汚さない。心を汚す原因も作らない。
ブッダは、正しい道(方法)のみを説く。かくして「わたしが」という自意識から自由でいる。(スッタニパータ『心の清浄について』の節)
自意識から自由、という文言が私にとっては重要なキーワードだと思いしました。
自己愛の強い人がいて、そういう人と関わると、こちらまで嫌な思いをするのですが、「自意識から自由」というのは大切なことですね。
自己愛の強い人との付き合い方は措くとして、自分がそうならないようにするには、自意識から自由になることですね。
マイナスの感情で損ををしない
本書によれば、仏教の「感情を巡る悩み」は、大きく2つに分けて考えることになるといいます。
- 不快な感情が生まれるのを防ぐ。湧いてしまった感情は、早めにリセット(解消)する。
- 相手とどうか変わるかを考える。
ほとんどの人が、この2つをごっちゃにして考えているのが問題だそうです。
人間関係が悩みの種だ、というのは不正確であり、「感情に悩まされている」ことと、「相手とどう関わればいいか」は別問題だといいます。
仏教における勝利は、相手に勝つことではなく「相手に反応して心を失わない」こと。
相手の反応(考え方)と、自分の反応は全く別物なのだ、と理解することです。
まあ、これだけですと、君には君の考えがあり、僕には僕の考えがある、ということで、ケンカにもならない代わりに、哲学で言う「不可知論」になってしまう場合もあるんですけどね。
客観的真偽を明らかにする命題と、価値判断の命題が世の中にはあり、本書は後者のことを言っているのだと思います。
つまり、「1+1=2」というのは、真か偽か決着がつけられますが、「意見」の違いにに真偽を無理につけようとすと争いがあります。
本書はそれに対して、「心の半分を前に、もう半分を後ろに使う」としています。
半分は、ただ相手の言い分を理解すること。
そして、心の後ろ半分は自分の心を見ることに使うそうです。
相手に向ける心を確立する
本書には、「相手に向ける心を確立する」ことで、人間関係に苦しまない生き方が可能になる、としています。
相手との関わり方の原理原則です。
- 相手のことを「判断」しない
- 過去は「忘れる」
- 相手を「新しい人」と考える
- 「理解し合う」ことを目的とする
- 「関わり方のゴール」を見る
たとえば、マイナスの感情が湧くと、相手のことをやたら判断したがるといいます。
「なんて嫌な人だ」「全く自分勝手な人だ」「呆れた」「やる気なし」「いつも同じことばかり繰り返して」「こうなったら絶交(離婚)だ」と、あれこれ結論を出したがる。
しかし、判断はしょせん自分の側からの承認欲。
いずれにしても、仏教的には「しなくて良い判断はしないほうがいい」といいます。
人間にとっていちばん大切なのは、苦悩を溜めないこと。
さすれば、苦しみを引きずることになる相手への判断も、ない方がいいというのです。
本書にはこう書かれています。
苦しめ合うために、関わっているのではない。
理解し合うために、お互いの幸せのために、関わっているのだ。
まあ、それで実際に迷惑を被っている場合がありますから、たとえば裁判をすべきか、相手と話し合うべきかなどの判断に迫られる場合もあるので、それですべて解決とは思えませんが、雑多な苦悩がだいぶ減るのは確かですね。
こういった内容が書かれていますが、詳細は本書をご覧ください。
ずいぶん売れたそうなので、もう読まれている方もいらっしゃいますか。
未読の方は、ぜひおすすめします。
以上、反応しない練習(草薙龍瞬著、KADOKAWA)は、あらゆる悩みはたったひとつのことから始まっており「消す」ための「方法」がある、でした。
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