歯医者が難病になってわかったこと(長尾周格著、三五館)は、糖質制限や牛乳・ヨーグルトの忌避によって口を含めた健康を指南

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歯医者が難病になってわかったこと(長尾周格著、三五館)は、糖質制限や牛乳・ヨーグルトの忌避によって口を含めた健康を指南

『歯医者が難病になってわかったこと』(三五館)を読みました。著者は歯学博士の長尾周格医師。虫歯や歯周病のメカニズムではなく、糖質制限や牛乳・ヨーグルトの忌避によって、口を含めた健康を指南。歯科医療の視点から食事と健康の関連性を探求しています。

我が家は、歯科治療のお世話になっています。

中でも私は、奥歯の詰め物がとれたのに、2年ぐらい放っておいたので、しばらくかかりそうです。

一方、妻も同じ状況でしたが、私よりもはやく治療を受けたので、軽く済みそうです。

私も、はやく治療を受けておけばよかったと思いました。

歯科治療も、「早期発見、早期治療」が大切ということではないでしょうか。

ということで、今更ですが予防歯科に関する本を読んでみました。

ご紹介するのは、歯科医の書籍『歯医者が難病になってわかったこと』です。

内容は、以下のとおりです。

著者が、潰瘍性大腸炎という難病にかかり困っていた。

それが、「先住民食」を食べるようになったら、病気が改善した。

先住民というのは、アイヌ民族やエスキモーなど開拓前の原住民です。

要するに、食事の改善によって、口を含めた全身の健康を実現できることがわかった。

その経験を活かして、予防歯科として、自費専門の歯科医院を開設している、ということです。

つまり、保険適用される普通の虫歯治療は行わず、予防だけにしぼった診察や処置をしているというわけです。

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先住民のすべてが良いとは限らない


先住民の人々が何を食べていたかといえば、肉や魚であり、私たちのように、お菓子やインスタントラーメン、加工や精製した食品などは食べていませんでした。

つまり、著者は、

糖質、保存食、加工食品、インスタント、ファーストフード、スナック、植物油、牛乳、ヨーグルトなどを控えろ

と、述べています。

歯科医なので、それを虫歯や歯周病予防にも適用しているのです。

まあ、甘いものが虫歯、というイメージはありますからそれはわかるとして、保存食、加工食品、インスタントなどは、栄養が偏るとか、添加物がいけないとかいわれますが、虫歯との関連というのは、聞いたことなかったですね。

著者は、先住民食に回帰しろ、としています。

ただ、糖分はともかく、保存食、加工食品、インスタントなどをやめることが、なぜ虫歯の予防なのかは、よくわかりませんでした。

それに、糖質、保存食、加工食品、インスタント、ファーストフード、スナック、植物油、牛乳、ヨーグルトなど、弊害は様々言われていますが、現代社会には否定できない食文化であることも確かです。

公害が出るから良くないと言って、自動車を今から全面廃止はできませんよね。

情緒的な世相の責任にされているSNSを避けるために、ネットそのものをやめることもできません。

砂糖をやめろ、と本書ではいいます。

でも、適宜適量で、ケーキだって食べたいじゃないですか。

まさに医療の世界で言われる「リスクとベネフィット」を考えて、上手に使うことが求められますよね。

それと同じではないでしょうか。

本書では、「先住民食」の現代版として、クジラのハリハリ鍋、ぼたん鍋、ローストベニソン(鹿肉のロースト)などを紹介しています。


が、今はクジラはなかなか食べられるものではないし、水銀や寄生虫など、毒もまた多いはずです。

そもそも、先住民は、ナントカ鍋なんて、そんな洒落た食べ方はしていなかったと思います。

それに、主たる材料だけ真似しても、環境が破壊された「自然」のものや、もしくは農薬たっぷりの餌で育った家畜の肉や付け合せ、添加物たっぷりの調味料で作ったものなど、先住民食とは条件が違うのではないでしょうか。

また、著者によると、先住民は虫歯がなかったと言っていますが、でも寿命はどうなんでしょうか。

先住民の食生活による弊害は、実はよくわかっていません。

なぜなら、私たち日本人のように長生きしていないから。

先住民の寿命である50歳頃までに、私たちが三大疾病に罹患する確率はほんの数%です。

平均寿命が80年以上だから、いろいろ出てくるのです。

それなのに単純に、先住民に比べて今の日本人のほうが病気が多い、だから食べ物も先住民の真似をしよう、という捉え方は、科学的ではありません。

つまり、部分的に過去の「いい部分(と思えるところ)」を真似しても解決にはならず、現代社会の実情に噛み合った対策を考えなければならないのでは? と私には思えるのです。

歯の検診にするか、砂糖を断ってクジラ肉にするか


食べ物にいろいろな取組をすることは否定はしませんし、著者の体験としてそれは事実なのでしょう。

が、やはり現在標準的な予防は、たとえば3ヶ月に1度の歯の検診を行い、歯石や初期の虫歯をきちんと治療することではないか、つまり「早期発見・早期治療」という私の考えは、本書を呼んでもかわることはありませんでした。

あとは、歯磨きの時にどんな歯ブラシを使えばいいかとか。

そういうことが知りたかったですね。

自治体によるのかもしれませんが、年に1回、健康診断とともに、歯の検診も東京都では無料です。

もちろん、そこで虫歯が発見されたら、治療を行わなければならないので、結局治療費はかかるんですけどね。

弁護士の法律相談の、初回相談料無料みたいなものです。

クジラ肉は、別に食べなくてもいいかな(笑)

子供の頃の給食は、しょっちゅう「クジラの竜田揚げ」でしたよ。

牛肉はもちろん、豚肉の方が高かったのかな。

みなさんは、歯の予防や検診をされていますか。

歯医者が難病になってわかったこと - 長尾 周格
歯医者が難病になってわかったこと – 長尾 周格

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