『炎は私の叫び~日野OL不倫相手愛児放火焼殺事件~』(小牧成、ユサブル)は、1993年に起こった日野市の放火殺人事件を漫画化したものです。何の罪もない2人の幼い命を奪うに至った、愛憎と悲しみに満ちた事件の全貌が描かれています。
日野OL不倫相手愛児放火焼殺事件とは
『炎は私の叫び~日野OL不倫相手愛児放火焼殺事件~』(小牧成、ユサブル、kindle)は、不倫が発端になり、1993年に発生した東京都日野市の放火殺人事件です。
幼児2人が焼殺されました。
不倫そのものについて、そして事件に対する加害者家族の責任について考えさせられました。
事件をリアルに描写するのは、ためらわれるほどです。
東京都日野市下ヶ原団地の会社員・山下悟宅で激しい火災が発生。
居間にいた6歳の長女は両腕を焼失、頭蓋骨は高熱で割れ大脳が露出した状態で、そして寝室にいた1歳の長男は両腕と膝から下が焼失した状態で、それぞれ遺体となって発見されました。
山下悟と不倫関係にあった職場の部下である、西本由香里(当時27歳)の放火でした。
あらすじ
加害者の女性は、父が印刷会社を営み、地元で有名な進学校から公立大学理学部数学科に進みました。
正確は明るく几帳面。
頭脳明晰でなんでも積極的に取り組むタイプで、ただ、彼氏、というより異性交際の経験はなかったようです。
そして、大手電気メーカーに就職。
当時できたばかりの均等法でいう、技術系総合職での採用でした。
そこで知り合ったSEの上司と深い仲に。
女性にとっては初めての男性でした。
上司は、「本当は今の女房みたいなタイプの女と結婚するつもりじゃなかった」「妻への気持ちはとっくに冷めている」等々、ありがちな囁きを女性に行い、女性はそれを真に受けて結婚を強く意識します。
交際中には2度中絶も。
しかし、上司の妻が不倫を知ることとなり、妻が選択を迫ると、上司はあっさり妻を選びます。
勝ち誇った妻は、私は子を2人生んで育てているが、女性は2回妊娠して2回とも胎内から掻きだす女だと嘲笑したといいます(Wikiより)。
上司妻の、尊厳を踏みにじる暴言に、女性は中絶に対する自責の念が暴走。
「上司夫妻にも子供を失う感情を体験させてやる」と、上司夫妻の留守中に自宅にガソリンで放火して、子供2人を焼殺しました。
本書は、紀伊國屋電子書籍Kinoppy、AmazonKindle、マンガ図書館Zなどで読むことができます。
ザ・女の事件 (8億9千万を貢いだ女~お局銀行員、狂恋の果てに~ (1)),(【合冊版】(1)-(4)),(ブロンドの毒殺魔~夫、実母、娘を手にかけた女~ ザ・女の事件(1)),(炎は私の叫び~日野OL不倫相手愛児放火焼殺事件~ ザ・女… (小牧 成) が、Kindleストアで販売開始されました。https://t.co/JAyWaAC0uY
— 電子書籍新着情報 (@amaebooknew) July 9, 2019
ご関心のある方はどうぞ。
自分の人生を失う加害者家族
上司は事件後、依願退職させられましたが、夫妻は離婚せず、その後1男1女をもうけています。
では、加害者の女性側はどうなったのか。
「日野不倫殺人事件」北村有紀恵受刑者をめぐる24年目の新展開(篠田博之) – Y!ニュース https://t.co/cUmb7ImG5d
— vamerikaカーさん (@vamerika2) April 8, 2019
月刊『創』では、宮崎勤死刑囚(既に執行)、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を掲載してきました。
その編集長の篠田博之さんは、事件24年目の2017年7月に、本件について寄稿しています。
無期懲役とは終身刑ではなく、更生の可能性を信じて、条件が整えば仮釈放で社会復帰を認める制度だから、女性の仮釈放をさせるべきという提案がひとつ。
もう一点は、事件後の女性の家族の紹介です。
女性の父親が経営していた製版所は閉鎖しました。
娘2人の結婚資金だけでなく、私財を全て投げうって裁判費用や被害者遺族、火災にあった団地住民への金銭的補償に追われ、それでもまだ賠償金は3000万円以上残ったまま家計は破たんしたといいます。
それだけでなく、女性の両親はその後の半生を償いのために費やすことに。
犠牲になった子どもが埋葬されている寺には何度も訪れ、その気持ちに打たれた住職が、仮出所したら身元引受人になってもよいと申し出るまでになったほどですが、肝心の上司夫妻は改葬してしまいます。
両親は秩父巡礼、坂東33カ所、それに西国33カ所など回り、毎月命日には自宅で僧侶にお経をあげてもらい、祥月命日には住職の寺で法要。
さらに20年以上朝晩欠かさず近くの9カ所のお寺にお参りし、夜も近所のお地蔵さんにお祈りしてくるといいます。
調べもせずに家族を叩くネットの罪
ネット民は、何か事件があると興奮して、加害者の家族まで直ちに同罪扱いします。
が、ここまでではないとしても、大抵の家族は何らかの補償や贖罪で、自分たちの人生を犠牲にしています。
マスコミはそういうことは報じませんから、家族はほっかむりしているに違いないと、ネット民は自分で調べもせずに決めつけるわけです。
マスゴミと思うなら、自分で調べて、真実に対して声を上げたらいいと私は思いますが、それをせず、「ゴミ」の報道に依存しきっている。
そんな人たちが事件を語っても不毛だと思いますね。
いずれにしても、不倫を軽く考えてはいけないということです。
そもそも男女問題としてはどう見るか
女性は、雑誌の月刊『創』に獄中から手記を寄稿。
事件についての反省や、子供2人に対する冥福祈願を表明する一方で、自分が上司に騙されもてあそばれて、心と体を傷つけられた被害者という面があることを理解してほしいと訴えています。
実際に、当時は上司こそ加害者だという声もありました。
もちろん、女性には、結婚適齢期の切実さや中絶のリスクなどがあります。
そこに配慮できない男に、身勝手のそしりは免れません。
ただ、もてあそばれた、騙された、……という女性の言い分もおかしいと思います。
そこには、対等の人格をもった交際という考え方はなく、女性は男性に一方的に依存し大事にしてもらうことを期待する、幼稚で身勝手な男性観を感じます。
もし、裁判所に駆け込んで一方的に窮状を訴えても、「そんな人と妊娠までして付き合い続けたのはあなたでしょう。その自己責任は?」と言われるのが関の山です。
自分の人生は、自分で責任を持つことがまず原則です。
詐欺行為や暴力が伴うならともかく、「結婚しそうなことを言ったのにしてくれなかった」というのは、男のいい加減さは認めるにしても、自分の「眼鏡違い」は何も悪くないのでしょうか。
内心で後悔するのではなく、対外的に「弄ばれた」と宣言するあなたにはプライドはないのか、と思います。
いかが思われますか。
以上、『炎は私の叫び~日野OL不倫相手愛児放火焼殺事件~』(小牧成、ユサブル)は、1993年に起こった日野市の放火殺人事件を漫画化、でした。
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