臨月に自分がシタ側だと判明いたしました(漫画/水島みき、原作/バタコ、KADOKAWA)は、結婚相手の離婚騒動に巻き込まれた話です。離婚歴がある男とわかっていましたが、その離婚の手続きがなされていないまま自分は懐妊してしまいました。
『臨月に自分がシタ側だと判明いたしました』は、バタコさん原作、水島みきさん漫画で、KADOKAWAから出版しました。
LScomicというシリーズ名がついています。
結婚を決め、両家の挨拶も済ませ、妊娠もした主人公の女性。
相手の男性は、離婚歴があることは聞いていましたが、婚姻届を出す前日、突然言いました。
「明日は市役所へ行けない」
離婚したはずなのに、「前妻」が離婚届を出していなかったのです。
そして、様々な抵抗を繰り返すうちに、主人公には子供が生まれてしまい非嫡出子に。
結婚して婚姻準正されれば戸籍上も「実子」になりますが、生まれた時点で非嫡出子であった事実は生涯記録に残ります。
離婚届を出さないのは「前妻」が悪いのですが、それを確認しなかった「夫」の責任も重大です。
「夫」は、主人公との間の子供に、大変申し訳無いことをしたわけです。
このブログでもご紹介しましたが、『鬼親~2015年うさぎケージ監禁男児虐待事件』(阪口ナオミ、ぶんか社)は極端としても、非嫡出子という出自は、決して子にとっていいことではありません。
「夫」は優柔不断なところがあり、それをもって主人公は心が荒れてきます。
ただ、救いは、一連のゴタゴタはあくまでも「前妻」の悪あがきに過ぎず、「夫」が「前妻」に未練があったわけではなく、自分のところはもちろん、「夫」の母親も主人公の見方であったこと。
本書は2023年3月20日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
相手の前妻の悪あがきによるトラブルだが……
主人公バタコは、リゾートでバイト中にカバオと知り合います。
当時バタコ24歳。カバオ30歳。
カバオの印象は、飾らない温かい感じの人。
初対面でバツイチと知りましたが、そのことは別に気にならず、その場にいる複数のメンバーでLINEのグループを作ったものの、カバオはバタコに個人でお友達になります。
そこで、個人的にいろいろ話を。
カバオには子供もひとりいるということ。
で、付き合ってくれと申し込んで、バタコが承諾すると、まもなくして同棲。
ここが、還暦過ぎの私には理解できません。
この程度の軽さだから、後々トラブルになるんでしょうけどね。
どうせ避妊もしないので、すぐに妊娠。
両家に報告して結婚という段取りになりましたが、なんだかんだと言い訳して、カバオは婚姻届を出しません。
バタコも、何となく察します。
この人、そもそも離婚してないんじゃないの。
正解でした。
ただ、カバオが言うには、「前妻」が離婚届を出していなかったことが、最近気づいたと。
そのとき、すぐに離婚しなかったのは、「前妻」から慰謝料を1500万請求されてしまったと。
これは途中で、2500万円に値上がりします。
「前妻」は、子どもの画像を送ってきたり、病気であるかのようなメッセージを送ってきたりします。
要するに、2人の婚姻のじゃまをしているわけです。
カパオは、DVや浮気などはなく、離婚届を出すと言い出したのは「前妻」の方から。
その時点で、婚姻生活は破綻しているとみられるので、裁判をすればいいのではないかと思いますが、カバオが優柔不断なのと、裁判は時間もかかります。
そのうち、バタコとの子供が生まれてしまいました。
こういう場合、バタコの非嫡出子となり、カバオは「認知」という形で父親にはなれます。
ただし、3人で同じ戸籍には入れず、カバオは自分の子の戸籍も自由に取れません。
まあ、このへんは今の戸籍制度もおかしいよね。
このへんをゆるくすると、事実婚が増えちゃうからかな。
でもまあ、「前妻」がそういう態度なので、調停から始まりますが、「前妻」は欠席。
さらに、カバオの車の中に、子供の写真を入れたり。
そういう時間稼ぎをしているうちに、だんだんバタコの心が疲弊し、カバオと言い争うようになります。
いったんは実家に帰ることに。
まあ、結局帰ってくるんですけどね。
「前妻」は、2500万円びた一文負けないと最後の抵抗を見せますが、結局は250万まで妥協。
でもそれだけでは気がすまず、カバオの実家に行って、カバオの母親に談判と、なりふり構わず頑張ります。
しかし、婚姻生活はすでに存在せず、バタコとの間に子供がいるわけですから、その抵抗は不毛ですよね。
……という泥仕合の漫画ですが、漫画化されたということは、同じようなケースって、世間にはよくあるのでしょうか。
実は「夫」が一番悪かったりして……
教訓としては、バツイチには気をつけようということでしょうね。
今回は、「前妻」がちょっとアレな人でしたが、そもそもそういう人と結婚したという落ち度はあるわけですから。
また、離婚届を自分で提出したのでないなら、きちんと届けは出されているかどうか、確認しないというのも「夫」の落ち度です。
ですから、このトラブルに、主人公バタコの過失はなかったと思いますが、そういうトラブルを持ち込んだ「夫」カバオとは、今後もその緩さゆえのトラブルが何かあるかもしれない、ということは心しておいた方が良いと思います。
離婚するのはそれなりの理由があると思いますし、合わない人と無理に仮面夫婦で過ごすよりは、一度しかない人生、お別れしてお互い新しい人生を歩むのは間違っていません。
カバオが、「前妻」と離婚したのはいいでしょう。
しかし、離婚せざるを得なかった相手を選んだカバオは、やはり何かが悪かったんです。
それが何であるかは、わかりにくいことかもしれませんが、やはりそういう「前科」があるんだということは、自分がそうであれ、相手がそうであれ、きちんと認識しておくことです。
厳しいこと言うようですけどね。
だって、カバオは、前妻とは子までなしているんですからね。
作る前に、結婚生活、これでいいのか、これからもイケるかぐらい考えたらいいのに、と思います。
ましてや、本作で見ると、「前妻」はかなりアレなわけですから、そんなの、少なくとも結婚生活を始めたらすぐにわかるでしょう。
それでも子をなしたからには、その後も夫婦生活、家庭生活を営む決意があったはずで、それでも別れちゃったということは、カバオの見込みが甘かったわけですよね。
それ、やっぱり反省点だと思いませんか。
それが、次の結婚生活にも悪影響を及ぼさないようにしないとと思いますね。
「前妻」に残してきた子供とはどう付き合うのか。
その際、「前妻」と会うわけですが、主人公と「夫」は、どう対応するのか。
きちんと話し合わないと、それがまた亀裂のもとになります。
いや、厳しいことを書いているようですが、なんかこの「夫」って、私から見ると、男としてすこしだらしない奴、あまり人格者ではないようにに見えるのです。
「前妻」がかりにアレな人でも、「夫」がもっとちゃんとした奴だったら、離婚までせずにイケたかもしれないし。
まあ、こういう人が好きになるバタコも、大概な人かもしれませんが。
とにかく、関心のある方は本書をご覧ください。
以上、臨月に自分がシタ側だと判明いたしました(漫画/水島みき、原作/バタコ、KADOKAWA)は、結婚相手の離婚騒動に巻き込まれた話、でした。
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