蔦屋重三郎など収載した『1日1ページで身につく 教養として知っておきたい 世の中を変えた偉人365』(和田孫博、SBクリエイティブ)をご紹介します。タイトル通り、毎ページに1年分の日付をうち、各ページに1人ずつ偉人の人生や功績をまとめた中身の濃い書籍です。(文中敬称略)
本日ご紹介する『1日1ページで身につく イラストでわかる 科学の教養365』。
これまで、竹鶴政孝、早川徳次をご紹介しました。
「発明・発見」「宗教・思想」「文化」「芸術」「政治」「ビジネス」「冒険家・アスリート」という7つのジャンルの古今東西の偉人について、1ページの中で功績や生涯をクイズと文章で構成しています。
それを365ページ。
つまり、1日1ページ読んで、1日1人ずつ偉人の生き様や功績を知ってください、という内容です。
ルビが振ってあるので、小学生はもちろん、大人が読んでも知らない偉人もたくさん含まれています。
老若男女が、世界にはこんなにすごい人たちがいたことがよく理解できるようになっています。
この中から、今日は蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう、寛延3年1月7日(1750年2月13日) – 寛政9年5月6日(1797年5月31日))をご紹介します。
蔦屋重三郎は、書店・レンタルビデオチェーンであるTSUTAYAの商号の由来となった人物です。
TSUTAYAの創業者である増田宗昭は、蔦屋重三郎のプロデュース力や文化への貢献に敬意を表し、その名前を採用したことを明らかにしています。
では、蔦屋重三郎とはいかなる人物なのか、生き様と功績を見ていきます。
洒落本、娯楽本、浮世絵などのプロデューサー
2025年大河ドラマの主人公「蔦重」を知る1冊『Pen BOOKS 蔦屋重三郎とその時代。』(CCCメディアハウス) https://t.co/sbzzTN0zBu @realsound_bより
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蔦屋重三郎は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した出版人であり、現代で言う「敏腕プロデューサー」として知られています。
Copilotに、生涯と功績をまとめてもらいました。
生き様
– 出自と初期のキャリア: 重三郎は江戸の吉原遊郭で生まれ育ちました。吉原の茶屋「蔦屋」の養子となり、1773年に吉原大門の前に小さな本屋を開業しました。
– 出版業への進出: 24歳の時に吉原のガイドブック「吉原細見」の編集者に抜擢され、これが彼の出版業への大きな転機となりました2。
功績
1. 出版業の成功: 重三郎は、黄表紙や洒落本、狂歌本などの出版で大成功を収めました。特に、山東京伝や朋誠堂喜三二といった人気作家との協力により、多くのベストセラーを生み出しました。
2. 浮世絵の普及: 重三郎は、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった天才浮世絵師を世に送り出しました。彼のプロデュースにより、美人画や役者絵の新たなジャンルが確立されました。
3. 文化の発信: 吉原の文化を広めるために、遊女をテーマにした美麗な本を出版し、吉原の活性化に貢献しました。
4. 出版規制への対応: 松平定信による寛政の改革で出版規制が厳しくなった際も、重三郎は創意工夫を凝らし、規制に対抗する出版物を制作しました。
蔦屋重三郎の功績は、江戸時代の出版文化を大きく発展させ、現代のメディア産業にも影響を与えています。
要するに、洒落本、娯楽本、浮世絵などのプロデューサーであったわけですが、1787年から始まった寛政の改革で、江戸幕府が娯楽を取り締まることとなり、蔦屋が出していた黄表紙(絵入りの本)が出版禁止になっただけでなく、蔦屋は財産の多くを没収されてしまいました。
享年48歳でした。
実は私も本書を読むまで勘違いしていたのですが、蔦屋重三郎が最初に開業した本屋が、てっきり古本屋かと思ったのですが、そうではなく新書の出版社です。
つまり、蔦屋重三郎自身は、「リサイクル」とは何の関係もないのですが、TSUTAYAの創業者は、祖父の事業の商号が「蔦屋」であったことと、浮世絵や文学の革新的精神に敬意を評したことから商号に採用したそうです。
ツルハシビジネスの先駆者
??本日配信??
『とんちき 蔦重青春譜(新潮文庫)』(矢野隆)
NHK大河ドラマで注目!
蔦屋重三郎の店「耕書堂」に集う男たち。のちに十返舎一九に曲亭馬琴、東洲斎写楽、葛飾北斎となる彼らだが、今はまだ才能の開花を待つ、何者でもない若者たちだったーー。https://t.co/8Cv3VyBA1l— 新潮社 電子書籍PR (@shinchoebookPR) September 30, 2024
他の人が、ビジネスを成功させるために必要なツールやサービスを提供することで、自らも利益を得ることをツルハシビジネスといいます。
アメリカのゴールドラッシュ時代、多くの人々が金を掘り出そうとしましたが、掘り出すためにはツルハシやシャベルが必要で、実際に手堅く大きな利益を得たのは、むしろそれらを売った人々だった、という話があります。
作家に良い作品を出版させたり、出版にあたって企画・編集・宣伝などのサポートを行ったりする出版プロデューサーも、いわゆるツルハシビジネスといえるでしょう。
現代では、例えばネットショップ制作代行や集客用のソフトウェアの販売などがこのツルハシビジネスの例として挙げられます。だからTSUTAYAもツルハシビジネスというわけです。
つまり、他の人がビジネスを成功させるために必要なツールやサービスを提供することで、自らも利益を得るという考え方です。
みなさんは、プレイヤータイプですか。それとも蔦屋重三郎のような、それを支えるタイプですか。
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