超ビジュアル!歴史人物伝伊達政宗(矢部健太郎監修、西東社)をご紹介します。初代仙台藩主で戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将・戦国大名の伊達政宗の波乱万丈な生涯と功績をまとめた書籍です。まんがと解説文、図解を駆使したオールカラーです。
出版社の西東社は、歴史書や日本の昔話、図鑑など専門的な知識を、マンガやイラストを交えて解説する書籍を出版しています。
『超ビジュアル! 歴史人物伝』シリーズは、そんな「愛読する事典」の一冊です。
今回は、その中から伊達政宗編をご紹介します。
ご存知ですか、独眼竜の武将。
初代仙台藩主である伊達政宗は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将・戦国大名であり、その波乱万丈な人生と功績は多くの人々に知られています。
本書は、伊達政宗の生涯と、伊達政宗を語る際のキーワードになる言葉や事柄を、漫画と図解による解説で説明しています。
奥州の独眼竜は「伊達な武将」
きょう7月21日は「日本三景の日」だそうです 宮城の日本三景、初代仙台藩主・伊達政宗公もその景観をこよなく愛した松島です #日本三景の日 pic.twitter.com/7Ij2VLUMsk
— ねこまさむね (@nekomasamunecom) July 20, 2024
伊達政宗は、1567年に出羽国米沢城で誕生。
父親は伊達氏16代当主・伊達輝宗、母親は出羽国の大名である最上義守の娘・義姫との間に生まれました。
伊達家の初代は伊達朝宗という人物でしたが、朝宗は源氏との縁が深く、自分の娘を源頼朝の側室として嫁がせたり、母親は頼朝の祖父である源為朝の娘であるとも言われています。
そして朝宗は、頼朝が奥州藤原氏を滅ぼした合戦に従軍して手柄を立て、その功績によって伊達郡を得て伊達氏を名乗ったとされています。
政宗は、5歳の時に天然痘にかかり、右目が見えなくなりました。
また、裏切り者の人質にされた父親や、母にえこひいきされた弟を、自ら手にかけるなど、気の毒なめぐり合わせも経験しています。
豊臣秀吉の下で戦国武将として、南奥州(山形県、宮城県、福島県の一部)を駆け巡り、活躍。
正室である愛姫との間には、次男の伊達忠宗をもうけました。忠宗は仙台藩の藩主となりました。
側室の新造の方との間に生まれた長男の伊達秀宗は宇和島藩へと、伊達政宗の跡を継ぎました。
その後、天下を治めた徳川家康とは、娘を徳川の息子と婚姻させて親類になります。
仙台藩62万石を治める為政者として、領地経営に尽力しました。
小田原攻めに遅れて参加した政宗は、豊臣秀吉との初対面で全身白装束に身を包み、丸腰で現れ、「申し訳ありませんでした。お詫びに死ぬ覚悟はできております」と述べました。
結局、その派手なパフォーマンスで遅参はお咎めなしとなりました。
また、領地の石高を増やすために、領民に対して新田開発や農業の奨励を行いました。これにより、領土を拡大しました。
ほかにも、きらびやかな軍装、愛煙家、料理男子、筆まめなどのエピソードが知られています。
伊達政宗は、その名前から「伊達な武将」とも呼ばれました。
伊達政宗は大胆でありながら、細心の注意を払う一面も持つ人物と評されました。
享保6年(1721年)に亡くなり、70年間の生涯を閉じましたが、「曇りなき心の月をさき立てて浮世の闇を照らしてぞ行く」(清らかな心で世の中の闇を照らし、進んでいくぞ)という辞世の句を残しました。
この句は、暗闇の中で月の光を頼りに前へ進むように、政宗が先の見えない戦国の乱世を、自分の信念だけを頼りに生きてきた人生を表しています。
政宗は70歳で亡くなり、その最期は食道癌と癌性腹膜炎の合併症によるものでした。
「伊達な武将」は臨終の際、正室、つまり正妻である愛姫にも死に顔を見せない心意気を示したと言われています。
そして、西方浄土に向かって手を合わせ亡くなったということです。
西方浄土というのは、阿弥陀如来の仏国土です。
ということは、浄土教の信者と思いきや、同じ仏教でも禅を組む臨済宗の在家信者だったようです。
伊達政宗は、その型破りな人生と偉業によって「奥州の独眼竜」として名を刻んでいます。
その生涯は、戦国時代から平和な時代まで、日本史に大きな影響を与えたものであり、多くの人々に感銘を与えています。
ちなみに、大河ドラマ『独眼竜政宗』の監修を行ったのは、伊達家当主である伊達泰宗さんです。
政策が400年経った仙台に今なお生きている
仙台の都市づくりの優秀さはあまり知られていない。
枝や葉の手入れ、根上がりの対策、電線の地中化、落枝や落葉の清掃、色んな所にちゃんとお金をかけているからこそ、夏でも涼しい杜の都がある。伊達政宗の政策が400年経った今なお生きているの、感慨深い。 https://t.co/NEnJvwXe2x pic.twitter.com/M79S3iSXm3— や (@km_yt15) July 22, 2024
私は、仙台(宮城県)には2度しか行ったことがないのですが、戸籍をたどっていくと、父方の曾祖父が宮城県南部の岩沼市の方に住んでいたらしく、また曽祖父の実家(叔父)は伊達藩や仙台県(宮城県の旧名)にお仕えしていたので、ゆかりのある土地の領主として大変興味深く読みました。
本作は、『超ビジュアル!歴史人物伝』シリーズの一冊ですが、同シリーズにはほかにも、西郷隆盛、真田幸村、源平合戦、徳川家康、豊臣秀吉、織田信長、坂本龍馬など、戦国武将の生涯を解説しています。
戦国武将の人物伝に共通していることは、乱世を治めるに、緻密な戦略や確固とした国家観、配下の者に対する目配り・気配りなどが必要だということです。
みなさんのお住いの地域を治めた戦国武将は、どんなエピソードがありますか。
以上、超ビジュアル!歴史人物伝伊達政宗(矢部健太郎監修、西東社)は初代仙台藩主の伊達政宗の波乱万丈な生涯と功績をまとめた書籍、でした。
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