髪は増える!(山田佳弘著、自由国民社)。相変わらずネットは、毛髪に関する広告や関連書籍・雑誌記事の情報も多いので読んでみました。薄毛・育毛といえば、ダイエットと並ぶ“お悩み系”キーワードの決定版といえますが、情報過多ということは、決め手がない、ということでもあります。
本書は、タイトルに「増える!」と断言しています。
さすれば、多くの人が手に取ることでしょう。
ということで、私も手にとってみました。
私は数年前、育毛を派手に宣伝しているところが、1度の洗髪サービスと育毛剤を無料でというので、行ったことがあります。
「大盛り無料」とか「お試し無料」というのが、何しろ好きなのです。
そのとき、髪の診断というのも行われ、皮脂を清潔にしないと、今後髪が危ないといわれました。
そして、髪が生えてくる例を色々見せられましたが、料金がやたら高かったので結局申し込みませんてした。
今回ご紹介する本書『髪は増える!』は、そうした既存の育毛産業の常識に対して異を唱えています。
これまでの「髪の常識」を徹底否定
今回ご紹介する『髪は増える!』は、そうした既存の育毛産業の常識に対して異を唱えています。
『髪は増える!』は、「はじめに」と目次が公開されています。
http://www.genki-life.net/kami/book17.pdf
本書は「表2」で、巷間推奨されている以下の4つはダメだとしています。
×皮脂と汚れを取り清潔にする
×抜け毛を減らす
×薄い部分に発毛させる
×効果のある育毛剤を使う
著者曰く、「事実は一般常識とは正反対」
育毛相談室を運営する著者は、一般的に信じられていることの問題点を感じ、書籍としてまとめたそうです。
「問題点」の部分、私が読みながらメモしたことをご紹介します。
それどころか、皮脂膜は頭皮を守るものだから、取り去ればいいというものではない。
脱毛と薄毛は違う。
脱毛はまた生えてくるが、薄毛は寿命が短くなっている
現在ある髪の毛は、すべて昨日までの頭皮の影響で育った「過去のもの」である。
髪の毛がすべて生え変わるのは、男性で3年、女性で2年かかるので、本当に髪の毛がふえるようになるには、そのくらいかかる。
産毛は産毛でしかない
皮脂の分泌量が高人は、髪の毛を育てる力が強い人である。
逆に薄毛に悩む人は、皮脂の分泌能力が低い人である。
ベタつくから皮脂が多いわけではない→お湯で洗っても皮脂の分泌自体は多くない
などなど、これまでの常識や対処法をいろいろ否定しています。
では、どうすれば、本書のタイトル通り「髪は増える!」と述べられているのでしょうか。
健康なら髪がフサフサになるわけではない!?
著者曰く、健康なくして育毛は語れない。
毛細血管に取り入れ、アミノ酸を毛に変換する酵素の働きがあって髪の毛は育つ。
それには、健康的な生活をしろ、とのことです。
お湯でシャンプー、ただし交感神経が優位な朝はするな
定期的なカラーやパーマが問題
コンビニ化した食べ物では栄養が偏り、生命力のないものばかり摂るようになる。
防腐剤や保存料が消化・吸収・排泄の邪魔をする
体温が低いと酵素が活動しない
……とまあ、どこかの健康雑誌で見たことあるような話がいろいろ書かれています。
ただ、それらを貫徹すれば髪の毛が多くなる、という定量的な統計は示されていません。
毛髪も体の一部である以上、栄養不足を解消したり、血流を良くしたりということは否定しませんし、それが奏効することもあり得ると思います。
ただ、その論理で言えば、病人はすべて薄毛で、健康な人はフサフサでなければなりません。
ても現実はそんなことないですよね。
つまり、それが全てではない、ということです。
薄毛、というよりズバリ書けばハゲの原因は、これをすればなる(ならない)というものは諸説推理されているだけで、確かなところはわかっていません。
これまで言われている要因としては、
加齢
男性ホルモンのテストステロンが変換して発毛を抑制するという「ホルモン説」
親や先祖の遺伝子によるという「遺伝説」
喫煙、偏食などによるとする「生活環境説」
睡眠不足や多忙、心配事に悩まされるなどの「ストレス説」
不十分、もしくは過度の洗髪によるという「不適当なヘアケア説」
などがあります。
それらが単独、または複合的に頭髪にプレッシャーをかけることで、脱毛と発毛阻止をおこし、結果としてハゲてしまうといわれています。
ですから、おそらくは原因がわかったとしてもそれは個々人で異なる対策が必要になるかもしれません。
まとめ
エビデンスも確かではない健康情報を実践したからといって、それが万人に奏効するとは限らないと思いますし、少なくとも、何ら根拠となるデータもなしに「増える!」と断言するタイトルはいかがなものかとは思います。
ただ、悩める人が魅力的な宣伝惹句で、育毛産業に膨大なお金を落としてきたのを、ちょっと立ち止まって考え直してみる、そのきっかけとしてとして読まれてみるといいのではないかと私は思いました。
以上、髪は増える!(山田佳弘著、自由国民社)。相変わらずネットは、毛髪に関する広告や関連書籍・雑誌記事の情報も多いので読んだ、でした。
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