35年以上の断食経験70代現役医師が実践する12時間断食(笠倉出版社)は、石原結實さん、石原新菜さん父娘による「食べない健康法」です。「12時間断食」は朝食を食べないだけで達成可能な、手間いらず・お金いらず 最高の健康法、と標榜しています。
35年前から断食のサナトリウムを開設
このブログでは、最近話題の16時間断食を何度かご紹介しています。
が、断食については、拒絶感というか警戒心が巷間拭えず、「栄養を入れなくて大丈夫なのか」「お腹が空いたら勉強や仕事に集中できない」といった意見もしばしば耳にします。
「朝ごはんをしっかり食べよう」というのは、私も子供の頃、言われました。
朝ごはんを食べないから、朝礼で貧血になるとか、朝眉斑を食べている家庭の子供は成績がいいとか。
それらは本当に、「朝ごはんを食べない」ことが原因なのか、エビデンスはないんですけどね。
そこで本書、『35年以上の断食経験 70代現役医師が実践する 12時間断食』(笠倉出版社)です。
著者は、医師の石原結實さん。
35年前から断食サナトリウムの開設していらっしゃる、「食べない健康法」のオーソリティです。
たんに研究や施術というだけでなく、自らがそれを実践しているそうです。
幼少の頃は体が弱かったのが、大学時代に断食などの健康法と出会い体調が改善。
1970年代には、モスクワやスイスを訪れて、自然療法を学んだといいます。
そして、1日昼と夜の2食が、45歳すぎてからは1日1食になったそうです。
マスコミでも有名な方のため、昼食時に取材を入れてしまうと、昼食を摂る時間がなくなってしまったそうです。
そんなときは、取材記者と、生姜紅茶を飲みながら取材を受けるそうです。
本書の表紙には、ベンチプレスを行う写真とともに、『71歳 1日1食でも筋肉もりもり』とのコピーが。
たしかに、説得力のある腕の太さです。
石原結實さんは、ご自身で1日1食を実践しながら、「なるべく空腹時間を取ろう」という趣旨で、朝食を食べない1日2食から始めようと唱えています。
2食ということは昼と夜の食事は「あり」ですから、夜8時に夕食をとり、朝食を飛ばして翌日12時に昼食をとることで、12時間どころか、話題の16時間断食もできるわけです。
しかも、石原結實さんは、その断食時間は、何も口に入れるな、とまでは言っていません。
生姜紅茶やにんじんジュースで、体を温めたり糖分を補給したりすることは認めています。
巷間の断食健康法の中では「最短」になる12時間で、生姜紅茶やにんじんジュースまで飲める健康法のメリットが本書には書かれているのです。
どうですか。自分にもできそうだと思いませんか。
「食べない」だけで獲得できる9つのメリット
本書には、「すべて空腹で手に入る!」として、次の9箇条が枚挙されています。
- 寿命が延びる
- がんを予防・改善する
- 免疫力アップ
- ボケ予防(頭がすっきりする)
- デトックス効果が高まる(快便)
- 体が軽くなる
- 性欲アップ・妊活に役立つ
- ストレスに強くなる
- 人生が充実する
1999年に米国マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ギャラン博士が、寿命にかかわるサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を発見。翌2000年には「空腹において長寿遺伝子は活性化する」と報告しました。
2012年に南カリフォルニア大学バルター・ロンゴ教授らは、「がんを患っているマウスに絶食させると腫瘍(がん)の勢いが弱まり、化学療法の効果も上がった」と報告しました。
血液中に栄養がたっぷりあると白血球はおなかいっぱいになり、病原菌に対する貪食能力が低下するといいます。
空腹のときに分泌されるグレリンというホルモンが脳の海馬に届くと、神経と神経を結びつけているシナプスを活性化して、記憶力のアップに繋がります。
食べていると消化器に血液が集中するため、排便など排泄が不十分になります。
食べる量が減れば体重も落ち、むくみもとれて全身がすっきりします。
空腹で体が「栄養不足」に陥っていると危機が迫ったと感じ、子孫を残そうと生殖能力が高まる
上掲のグレリンは、がん予防のほか胃腸の働きをよくしたり、自律神経の働きを調整したり、ストレスに対抗したり、炎症を抑制したりします。
空腹になると脳から快感ホルモンであるβエンドルフィンが分泌され、気持ちを安定させる脳波(β波)が出現します。
石原結實さんが1日1食であることは冒頭にも書きましたが、1日2食のときよりも体が軽く、以前よりも頭もスッキリしているといいます。
「1日2食だと食べ過ぎだったのでしょう」とまで述べています。
石原結實さんだけでなく、本書の「運動指導」として、後半の運動のモデルになっている石原新菜さんも30第ですが1日1食だそうです。
もちろん、それは「1日1食にしなさい」ということではなく、「自分に無理のない範囲で、できるだけ長く空腹時間をキープすること」を勧めています。
低体温は血液を汚してしまう
本書では、「12時間断食」とともに、「体を温めること」も唱えています。
なぜなら、「冷え」は「食べ過ぎ」とともに、万病をもたらす2大要因だからだそうです。
体温が下がると、白血球の動きが悪くなるそうです。
つまり、免疫力が下がります。
また、体が冷えて体温が下がると体内での代謝が悪くなり、臓器の機能が低下して血流が悪くなるといいます。
すると、細胞に十分な酸素や栄養が送られなくなるばかりか、老廃物の排泄力も低下して血液が汚れるそうです。
石原結實さんの著書は以前もご紹介しましたが、「血液の汚れは万病のもと」であることが唱えられています。
血液が汚れると、体は血液をきれいにしようとして、発熱、発疹、動脈硬化、がんなどの反応を引き起こすといいます。
本書も改めて、食べ過ぎと冷えによる「血液の汚れ」が病気を発症させるとしています。
しょうが紅茶の効用
石原式12時間断食で、口にすることが認められているのは、生姜紅茶とにんじんジュースです。
本書では、しょうが紅茶の効用を10箇条枚挙しています。
- 血液の循環をよくして体を温める
- 免疫力がアップする
- 発汗を促す
- 消化・吸収能力を高める
- 殺菌・抗菌作用
- 消臭作用
- 抗酸化作用
- 血中のコレステロールを低下させる
- 体内の毒素の排出を促す
- 気のめぐりをよくする
本書によると、低血糖にならないように、生姜紅茶に黒砂糖(またははちみつ)を入れてもよいそです。
なるほど、それなら12時間ぐらい食べない生活は十分可能だと私は思いますが、いかがでしょうか。
本書には、おいしい生姜紅茶・しょうが湯の作り方も解説されています。
さらに、手作りにんじんジュースの作り方も説明されています。
石原式断食の5つの基本ルール
ということで、上掲を踏まえた上で、石原式12時間断食は、次の5つの基本ルールを唱えています。
- 朝食は“しょうが紅茶”
- 昼食は“温かいそば”
- 夕食は何を食べてもOK
- おなかが減ったら体を動かす
- 体を冷やさない
昼が温かいそばである理由は、断食明けは胃腸に負担がかからないものがよいこと、そばは質のいいタンパク質、豊富なビタミン、ミネラルを含んでいるからだそうです。
そのかわり、夕食は腹八分目を守れば、何を食べてもいいそうです。
本書には、「体を温める陽性食品」「体を冷やす陰性食品」「体を冷やしも温めもしない間性食品」などが例示されています。
本書の後半は、「4」の「お腹が減ったら体を動かす」というテーマで、空腹のときに行う『食欲ストップ体操』が図解されています。
モデルは、冒頭に書いたように石原新菜さんです。
いずれも、高価な健康器具などは必要のない、体操やウォーキングです。
「12時間食べない」ことも含めて、けだし、手間いらず・お金いらず 最高の健康法だと思います。
本書は、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
以上、35年以上の断食経験70代現役医師が実践する12時間断食(笠倉出版社)は、石原結實さん、石原新菜さん父娘による「食べない健康法」でした。
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