『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』(鹿砦社)は、アイドル黄金時代といわれた1980年代に活躍したアイドル歌手100人(組)のヒット曲について、原寸大のレコードジャケット掲載と解説を加えた資料的価値の高い話題書です。
80年代女性アイドル
『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』(鹿砦社)の宣伝コピーからご紹介します。
なんてったってアイドルは80年代だ!
アイドルの旬は短い。輝ける一番美しい時代のその一瞬を閉じ込めたジャケット写真の顔。
このころのアイドルのジャケット写真には、顔のアップしかなかった。それで良かったのだ。それを、ファン達は見たかったのだから。……
今やアイドルと言うと、なんとか48とか、某46とか、人海戦術が目立ちます。
というより、ピンのアイドル歌手といっても、名前が出てこないのではないでしょうか。
1980年代と今との違いは、まずテレビの歌番組が多かったこと。
今は、インターネットもあり、必ずしもテレビだけが露出媒体ではなくなりましたが、それでも歌手が歌う番組があることで、その出演がステータスになりますから、アイドル歌手というポジションが市場になります。
そして、山口百恵、キャンディーズ、ピンク・レディーなど、一斉を風靡した大物アイドルが1970年代終盤に続々と引退したことで、ポジションがあいたために新しいタレントが次々登場。
結果的に「ポスト百恵」ではなく、新しい時代として隆盛をきわめました。
そして、個人的に思うのは、オイルショックを克服してバブルをも経験した1980年代の元気ある時代に比べて、バブル崩壊の1990年代以降の緊縮現代の閉塞された現代の「時代の活気」が違います。
時代に活気があるから、芸能界も視聴者も元気が出るというものです。
そんな「いい時代」のアイドルたちのなかで、100人(組)を厳選して原寸大レコードジャケットと解説文でご紹介したのが本書『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』です。
主な内容
登場はデビュー順です。
- 1980年デビューのアイドル(松田聖子、柏原よしえほか)
- 1981年デビューのアイドル(松本伊代、薬師丸ひろ子ほか)
- 1982年デビューのアイドル(中森明菜、小泉今日子ほか)
- 1983年デビューのアイドル(武田久美子、富田靖子ほか)
- 1984年デビューのアイドル(菊池桃子、岡田有希子ほか)
- 1985年デビューのアイドル(おニャン子クラブ、中山美穂、南野陽子ほか)
- 1986年デビューのアイドル(渡辺満里奈、山瀬まみほか)
- 1987年デビューのアイドル(石田ひかり、酒井法子、森高千里ほか)
- 1988年デビューのアイドル(ウインク、西田ひかるほか)
- 1989年デビューのアイドル(田村英里子)
やはり、その中心にあるのは松田聖子でしょう。
松田聖子といえば、80年代にアイドルとして一世を風靡。
90年代はスキャンダルで話題を提供し続け、21世紀に入ってからはその「貯金」がモノをいい、現在もディナーショーで稼ぎまくっているといいます。
歌番組も衰退し、そもそもアイドルという年齢でなく、芝居の道にも進まなかった松田聖子の生き方としては、まさに、それしかない、という“正解の人生”を存分に謳歌している感があります。
その意味では、小泉今日子も欠くべからざる一人です。
当初は、松田聖子を意識したヘアスタイルでしたが、それでは松田聖子は超えられない。
以来、刈り上げヘアに始まる個性的なパブリシティで一時代を築きました。
そして、引退組では、河合奈保子がもっとも印象深い存在です。
河合奈保子は1979年12月、芸映プロ主催による「(西城)ビデキの弟・妹募集オーディション」に応募。2万5160名の中から優勝を勝ち取りデビューしました。
ファーストシングルは『大きな森の小さなお家』(80年6月11日)。80年代はライバルの多いアイドル黄金時代でしたが、その中で河合奈保子ははバツグンのプロポーションから、柏原芳恵とともにグラビアページで大活躍。ビジュアル系のアイドルとして人気を集めました。
歌の方も歌唱力は高く、リリースした36枚のうち21枚がベストテン入りと安定した売り上げを残しています。
「松田聖子を圧倒した奈保子のクラビア事情」と同誌に書かれた河合奈保子は、松田聖子、岩崎良美、柏原芳恵らとともに、「黄金の80年組」の一人として活躍しました。
『アサヒ芸能』(2013年8月8日特大号)の連載読み物「王道アイドル20年の風雲録」(石田伸也著)によると、松田聖子も河合奈保子に及ばなかったのは、老若男女を問わずの高い好感度と、写真集を中心としたグラビア人気だったと振り返っています。
「色白のきれいな肌も魅力だったけど、やはりあの時代の純正アイドルとして、あのくらい胸の大きい子はいなかったから。僕は彼女のデビュー半年後くらいから撮っているけど、少なくとも水着撮影をイヤがったり、胸の谷間を気にすることはなかったね」
「写真集でも、アメリカでのレコーディングを兼ねて3日くらいで撮ってしまう強行軍もザラだったよ。でも奈保子は少しもつらそうな顔はせず、こちらが言ったように撮らせてくれる。16歳でデビューするまで世の中のことは何も知らなかっただろうけど、それが変なグセのなさにつながっていたね」(いずれも写真集を数多く手がけた黒坂了司氏)
慣れないバラエティ番組で横転の利いたコメントが出せないと、マネジャーの下降浩氏に懸命に頭を下げ、いつも返事は『ハイッ! ハイッ!』と元気がいい。デビュー2年目にけがをしても、仕事に穴を空けることに対しての謝罪をスタッフに繰り返す。歌唱力も抜群。
にもかかわらず、その表裏のなさが、アイドルとして突き抜けなれなかったのではないかと同誌では指摘しています。
まあたしかに、松田聖子や小泉今日子の方が、河合奈保子よりもずっと図太くてしたたかに見えますからね(笑)
こうした、1980年代のキラキラしたアイドル歌手が紙上に蘇るのが、本書『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』です。
まとめ
『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』(鹿砦社)は、1980年代に活躍したアイドル歌手100人(組)の原寸大レコードジャケット、および解説を掲載しています。
松田聖子、小泉今日子、河合奈保子ら、現在も活躍している人、もう引退した人など現在の立場は様々ですが、いずれも当時の輝きを紙上で再現しています。
以上、『80年代女性アイドル・レコジャケ・厳選100人・OTAKARAファイル』(鹿砦社)は1980年代アイドのレコジャケと解説収録、でした。
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