ひろゆきさんといえば「論破王」と言われていますが、それにあやかり、他人を「論破」したい人が増えてきているという話です。記事は1960~70年代に放映された『ロンパールーム』という番組名を使い、論破したがりが増えたことをロンパー(論破)ルームと呼んでいます。
ひろゆきさんにあやかりたい人が増えている?
もとの記事は、東洋経済オンライン。
『なぜ勝てる?「論破王ひろゆき氏」の話し方大解剖 プロが分析!論破好き「ロンパーズ」が増殖中?』というタイトルです。
著者として、岡本純子さんのクレジットが入っています。
内容は、「それ、何の意味があるんすか」「そのやり方、不毛ですよね」など、他人を「論破」したい人が増えてきている、という話です。
それが、論破王と崇め奉られている、ひろゆきさんにあやかりたい人が増えているからだ、というのです。
なぜ勝てる?「論破王ひろゆき氏」の話し方大解剖 プロが分析!論破好き「ロンパーズ」が増殖中? | リーダーシップ・教養・資格・スキル – 東洋経済オンライン https://t.co/ok8PBFE1ui #東洋経済オンライン @Toyokeizaiより
— 石川良直 (@I_yoshinao) June 13, 2021
「PR会社に勤める管理職のAさん」は、最近、やたらと「一方的に物言い」してくる部下たちに辟易している。
「他人を論破したくて仕方ない人があふれている。まるで『ロンパールーム』だ」と。
幼児用の服「ロンパース」がその語源とした、1960~1970年代に放映されていた人気の子ども番組名ロンパールームのことですが、ロンパー⇒論破ということと、そういうふるまいが子供じみている、という意味であろうと思われます。
記事によると、ひろゆきさんの「論破術」5つの特徴があるといいます。
記事のまま引用します。
- 相手が答えにくい超基本的な質問を多用する。
「それってどんな意味ですか」
「どうして〇〇って言い切れるのですか?」
「根拠はなんですか?」
「データあるんですか」 - 相手の主張の盲点や欠点を突く。
「それってあなたの意見(感想)ですよね」
「どうして□□は△△ということになるんですか??おかしくないですか」 - データやエビデンスを示し、言い分の正当性を主張する。
「××といったが、別の〇〇っていうのもありますよね??それについては?」 - 逃げ道を作っておく。
「〇〇は絶対、××である」と断定せず、「〇〇は××であると思う」とかわし、矛盾を指摘されても、「それは事実ではなく意見である」として、攻撃されにくくする。もしくは、言い切るのではなく、「●●さん、頭悪いんですかね」と質問形式にして、言質を取られないようにする。 - 素直に謝る。
「おいら、全然勉強不足ですから」
「すみません」
「チェリー・ピッキング(数ある事例の中から、自分の主張に有利な事例のみを並べ立てる)」や「ストローマン(相手の主張をゆがめて引用し、そこに反論する)」などの、いわゆる「詭弁術の手法」も上手に活用している印象といいます。
しかし、著者は『「論破」と「説得」は似て非なるもの』だと指摘。
私が息子に、この調子で延々と「論破」し続けたとすれば、息子はグレるか、私を「毒親」と呼ぶことになるでしょう。夫婦関係は破綻し、友人を失い、部下は病み、パワハラで訴えられるのが関の山です。部下が上司のメンタルを壊す、などといったことも、これからは起きる可能性が大いにあります。
「「ロンパーズ」は、ことごとく、地獄を見ることになりかねません」と警鐘を乱打しています。
相手をやり込めることが自分の利益になるとは限らない
このブログで、ひろゆきさんについては、何度か触れました。
いずれも、MMT(現代貨幣論)の立場からの疑問点ですが、このツイートはMMT関係なく、誰でも冷静に考えたらおかしいと思いますよね。
年収600万円ぐらいで国から受けるサービスと払う税金が同額になります。
政府の歳出が102兆円。国民一人当たり100万円の支出。600万円で所得税30万円、住民税30万円、社会保険料86万円を抜いて、手取りが455万円。
455万円の10%消費税で45万円。
30+30+45=105万円社会保険料は税金じゃないのです。
— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hirox246) February 16, 2021
つまり、何をいいたいかと言うと、かりにひろゆきさんが「論破」したとしても、ひろゆきさんが無謬だから、万能だからというわけではありません。
簡単に述べると、人間の知識も感情も弱点があり、そこをついているだけに過ぎないのです。
勝ち負けの視点では、一見相手をやり込めたように見えるかもしれなくても、それが必要な真実へのアプローチになっているかどうかはまた別の話です。
相手を口先でやり込めたいならそれでいいかもしれませんが、真面目に話をして、相手に理解してもらったり、啓蒙したり、真偽をきわめたり、相手と納得のできる合意に到達したり、といったときに求められる手法ではありません。
たとえば、最近は「ネトウヨvsパヨク」などという争いがあります。
自分の陣営については屁理屈を述べてでもかばい、敵のことは揚げ足を取ってでも攻撃する。
あのようなポジショントークで、何か得るものはあるでしょうか。
まあ、ああいう責任のない連中の政治を使った低レベルな争いは別として、国会議員でも、先方の落ち度を攻め立てるということばかりに熱中して、何が大切なのかを見失っているような見解はあります。
Web掲示板で、ある出来事の関係者や芸能人などについても徹底的に叩きますが、なぜそこまでしなければならないのか。
物は考えようで、損して得取れとか、負けるが勝ち、ということもあります。
つまり、相手にいい気分にさせておいて、こちらの利益になるような知見や言い分や情報を引き出すというやり方もあります。
言い争って勝つことがすべてではないのです。
ひろゆきさんは、言っている内容が正しいかどうかは二の次で、「論破王」というキャラクターをもってメディアで活躍しているだけで、それを「正しい」と崇め奉ったりモデルとしたりすることは、私も記事の著者同様、疑問視せざるを得ません。
これだけ書かれても「論破王」?
Web掲示板のスレッドです。
【話題】ひろゆきに影響された若者世代「論破ーズ」が増加…上司に「それ何の意味があるんすか?」「そのやり方不毛ですよね?」と物言い [Anonymous★]
https://t.co/TtTf74ui36 pic.twitter.com/2uWPorJ3up— 石川良直 (@I_yoshinao) June 13, 2021
主なコメントを引用します。
6名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:03:34.06ID:VmVR6CIw0
ロンパールームって幼児用の服「ロンパース」が語源なのか
全然知らんかった12名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:05:19.02ID:7dFWlq8X0
マジでそうなら世も末だな
ひろゆきなんて極論と論点ずらしだけだろ?
日本人の考える力を低下させるよなあ(´;ω;`)15名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:06:46.35ID:0ybcCIF10
論破する事が目的になってる時点で無能18名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:07:29.49ID:9s9vzUsi0
ならば代わりにどうするか、までを出させて、実際にやらせてみたらボロが出るだろう42名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:15:34.35ID:VoZS/LqA0
感化され過ぎるのは良くない44名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:15:35.36ID:NFu8r0F60
そして何も成し得ない人生を送る、と50名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:17:22.56ID:UY1xTzku0
論破してもいいけど代わりのアイデアを出せよと
ただ否定するだけなら生産性の無い一番無能なタイプじゃん57名無しさん@恐縮です2021/06/13(日) 20:21:38.16ID:ZkyXDYx10
記事の内容の真偽はさておき
そこではじめて思い知らされる事だろう
西村がいかに嘘っぱちだという事に
実社会ではあんなの誰も相手にしないからな
ということで、Web掲示板は冷静ですね。
思うに、「論破王」などといわれ、こうして記事で取り上げられている時点で、すでにひろゆきさんは見透かされてしまっているわけですよね。「そういう人」だと。
本当の論破王は、そのような挑発的な態度はとらずとも、そして「そういう人」だとさとられず、いつの間にか自分のペースで自分の利益のあるところに落とし込んでいく人をいうのではないか、と記事を書きつつ思いました。
以上、ひろゆきさんといえば「論破王」と言われていますが、それにあやかり、他人を「論破」したい人が増えてきているという話、でした。
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