ひろゆきさんの「努力すれば報われる信仰」を諌めるコラムにネット民が「今どきいねえよ」が反発。しかしネットはまだ努力信仰がのさばっています。福祉や介護の話になると、必ずその給付を受ける人は努力が足りないと嘲笑するじゃないですか。
「努力が100%だ」という信仰で溢れかえっている
ひろゆきさんといえば、ホリエモンと並んで、毀誉褒貶の激しい人です。
コラムや動画コンテンツでのコメントが、毎回のように物議を醸しています。
たとえば、先日はこのコラムが話題になりました。
『「頭の悪い人」には絶対に理解してもらえない話』というタイトルです。
曰く
世の中、「努力が100%だ」という信仰で溢れかえっている。しかし、考えてもみてほしい。
ありとあらゆることにおいて、「100%自分の実力だ」と言えることは、実は少ない。
遺伝子か、環境か。先天的か、後天的か。
そういった視点も、幸せに生きるためにはある程度、必要だ。
本人がモテる努力をして恋人ができたとしても、元の顔のパーツがよかったから、つまり遺伝子の影響もあったと言えたりする。
そのように、1つの決定的な要因はなく、さまざまなことが絡み合って、人生は成功へと導かれていく。
ひろゆきさんといえば、これまでMMTに関する発信を2度批判してきました。
簡単にご説明すると、ひろゆきさんはMMTをコバカにしているが、しかしMMTを間違えて認識している藁人形論法だという話です。
しかし、この「努力」ですべてと考える根性主義を諌めるコラムは、私は結論に賛成します。
まとめサイトです。
ひろゆき「頭の悪い人」には絶対に理解してもらえない話 努力はムダ 蛙の子は所詮蛙 [牛丼★]
https://t.co/ypmMY8esLF pic.twitter.com/hWxhh25J0D— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) March 12, 2021
以下が、主なコメントです。
8名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:30:00.85ID:HotTYGnb0>>15>>34>>42>>55
>世の中、「努力が100%だ」という信仰で溢れかえっている。
なんか冒頭からいきなりアホな妄想語りだしてるんだが
このたらこ、大丈夫なの?w
むしろ今時努力で何とかなるなんて、少年向けの漫画ですらいわねーんだがw9名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:30:41.75ID:AeMCohc80
馬鹿だとか頭が悪いとか、何かカマシ入れないと話も出来ないのか。11名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:31:12.61ID:NaEx/Uc50>>21
努力は100パーセント無駄という言ってるやつのほうが頭が悪い
どんな天才でも努力してるから成功する14名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:32:29.02ID:DhyLOGYi0
言ってることは間違ってないが例示が大学生レベル
そもそもこいつは努力せず金儲けしたから
努力して成功した奴がどれだけ努力してるかわかってない
「10年間1日も休まなかった」
「一日16時間労働」
自営だとこんな奴らゴロゴロしてんぞ22名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:35:16.37ID:fwVpFQUt0
才能に関わらずどんな人でも努力は100%するものだ
それプラス運とかもあるってだけ41名無しさん@恐縮です2021/02/25(木) 17:38:16.64ID:nllVGNSr0
ひろゆき氏の認識は間違っている(勘違いしている)、
今どき努力信者なんて世の中にほぼいないでしょ、
努力すればなんでも一流になれるなんて思ている人は例外的な人、、
自分が何に向いているか分からないから自分がやりたいと思う物に対して
努力出来る人は努力しているだけですよ。自分が何に向いているか探す為の努力をしているだけと言える。
まあいろいろ出てますね。
毀誉褒貶ある人なので、手厳しいですが、それぞれ一理あります。
ただ、コメントは冷静に書かれていますが、まだ世の中は、客観的情勢も法則も無視して、努力すれば地球ですらも回せるといわんばかりの、自己啓発セミナー的世界観は大手を振ってまかり通っています。
そうじゃないっていえますか。
「努力」で解決する問題とそうではない問題がある
昨今のネットなどにもはびこる排外主義には、「努力」幻想が悪い意味で反映しているでしょう。
たとえば、
生活保護の受給にすがっている奴は努力が足りない
親のしつけ(という努力)が足りないから発達障害になる
というふうに。
「個人の努力」に根源的な責任がある問題と、「ほしのもと」や「社会の情勢」に根源的な問題があるものは、きちんと区別した上での研鑽を求めていただきたいと私は思うのです。
傾聴に値する、明石家さんまの「努力」論
明石家さんまさんが、「努力」について発言したのは、2014年6月7日放送の『MBSヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)です。
有名人の「名言」や「珍言」をリスナーがメールで紹介する「名言珍言ゆとっtter」というコーナーで、この日ゲストだったアイドルグループ「アップアップガールズ(仮)」の佐藤綾乃さんがインタビューで言っていたという、こんな話が紹介された。
「努力は必ず報われる。その言葉、最初は信じなかったんですよ。そんなこと言っても、本当に努力を見てくれてるのかよって。でも、自分の経験上、努力をしていれば必ず誰かが見てくれていて、報われることがわかりました」
これに対しさんまさんは、「それは早くやめた方がええね、この考え方は」とバッサリ。佐藤さんやレギュラーメンバーのモーニング娘。道重さゆみさんが驚いていると、「努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い」と持論を展開した。
「好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね」
この世の中、努力をすれば報われる合理的根拠などはないからです。
つまり、努力をすれば報われるというのは、客観的に正しくないのです。
私たちは、偶然と必然の複雑系において生きています。
努力はしょせん「必然」の部分しか克服できません。
たとえば、入学や資格試験に合格したくて努力し、本人の能力では到達できていても、試験の日に交通事故にあったり急病になったりしたら報われることはありません。
そもそも、努力するのは、環境自体が恵まれている(幸運)からであり、人によっては努力すらできない場合もあるのです。
努力したくてもできない「ほしのもと」の人は、どうすればいいのでしょうか。
- 努力しても「偶然」のアクシデントなどで自己実現できない不運が考慮されない非合理な評価につながる
- 努力しない人生観・価値観が否定されてしまう
それによって、努力しない人、努力できない人、努力の成果をアクシデントで得られなかった人などは、おそらく自己の尊厳をスポイルされ、人や社会を恨んだり、自分に自信が持てなくなったりするのではないでしょうか。
ひろゆきさんとは、少しアプローチが違ったかもしれませんが、「努力至上主義」に対する懐疑的な視点としては傾聴に値すると思います。
以上、ひろゆきさんの「努力すれば報われる」を諌めるコラムにネット民が「今どきいねえよ」が反発。しかしネットも世間も努力信仰か、でした。
キャッチ画像
Photo by Lethicia Matos on Unsplash
努力不要論 – 中野 信子, 安田 愛実, パンローリング株式会社
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