伊是名夏子さんの車椅子の対応巡るJR東日本駅員とのトラブルが話題です。といっても彼女のブログに書かれているに過ぎないことです。にもかかわらず、彼女に同情できないという叩き。一方では「#伊是名夏子さんを支持します」というハッシュタグが拡散。
なんか、やたらアツいのですが、私に言わせれば、どちらもナンセンスです。
いったい、そこで公益性のあることは何でしょうか。
バリアフリー法があるのに、エレベーターのない駅があったという事実だけです。彼女を叩いている連中はおめでたいからわからないようですが、バリアフリーは全国民の利益になることです。
さすれば、障碍者手帳持ちだけじゃなくても、高齢者や妊婦、ベビーカーこぎの人にとっても、バリアフリーが広がると良いね、という方向にまとめるべき話です。
そういう問題を後景に退けて、彼女の悪口のほうが大事な手合いは、たぶん問題解決能力もないくせに、不平不満や悪口ばかり一人前の人間でしょう。
だめな奴ほど悪口が好きなのです。
ですから、何が大切なことか、見抜ける人間とそうでない人間を見分ける「ふるい」にもなっている話だと思います。
無人駅における電動車椅子のサポート問題
伊是名夏子さんを覚えてますか。
骨の弱い難病「骨形成不全症」で、10人のヘルパーの支援を受け、電動車いすを使用する生活です。
が、健常者が当たり前に経験する人生の道順は諦めないポジティブなマインドで、難病のハンデがあっても、進学、結婚、出産と、その都度人生の道順を踏破してきました。
『ママは身長100cm』という本も上梓しています。
同じ難病の患者は推定6000人程度。
2万人に1人くらいの割合にあたります。
さて、その伊是名夏子さんがブログで、旅行で静岡県内の無人駅に行こうとしてJR東日本駅員とトラブルになったことを書き、賛否両論のトレンドな話題になっています。
まず、ここからが不思議です。
ジャーナリストが書いた記事でも、テレビカメラが回っているわけでもなく、彼女が自分の視点と経験を記憶で書いているだけのブログ記事を論評する事大主義が不可解です。
だって、彼女の認識違いもあるかもしれないし、別の人から見たら全く別の説明になっているかもしれないんですよ。
つまり、前提となる事実関係自体が、あることを除けば客観的裏付けのあることではないのです。
大衆は暇なんだな(笑)
まあ、それはひとまず措きましょう。
著者は、生まれつき骨が弱い障害で身長100センチ。進学、結婚、出産と、人生の節目ごとに周りの反対にあったが、実現してきた。「何があっても諦めない忍耐強さはどこから来るのだろうか」。(著者に会いたい)『ママは身長100cm』 伊是名夏子さん:朝日新聞デジタル https://t.co/8odYMehYyN
— 朝日新聞読書面 (@asahi_book) August 3, 2019
伊是名夏子さんが、「JRで車いすは乗車拒否されました」と題して、2021年4月4日に当時の状況をつづったブログ記事を更新しています。
JRで車いすは乗車拒否されました – コラムニスト伊是名夏子ブログ https://t.co/v3YCdizUXO
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) April 6, 2021
静岡県熱海市にある来宮神社へ、「小田原駅→熱海駅→来宮駅」のルートで行こうとしたところ、駅員は「来宮駅は階段しかないのでご案内ができません。熱海まででいいですか?」と提案
伊是名夏子さんは、レストランもホテルも予約しているから、来宮駅で駅員さん3~4人集めてもらい、階段を持ち上げてくださいと依頼。
駅員は、熱海駅ではそのような対応をしていないから、同駅でタクシー利用などを自分で考えてほしいとお願いしたところ、伊是名夏子さんはタクシーは1か月前に予約しないといけないと反論。
1時間ほども駅員との応酬が続いた結果、タクシーの電話番号を教えてもらって、乗りたかった電車の後の電車で熱海に向かったということです。。
それに対して、J-CASTニュースは、駅員の対応は問題だったのか、国交省に聞いています。
「JRに乗車拒否された」車イス利用者のブログに賛否 駅員の対応は問題だったのか、国交省に聞いた https://t.co/TT966rzUDU #JR東日本 #車いす #障害者 @jcast_newsより
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) April 6, 2021
JR東日本横浜支社の広報室は4月5日、伊是名さんのブログで書かれたことの事実関係は分かりかねるとしながらも、取材にこう答えています。
「当日のお話でも、できる限りのことはやりますが、事前に連絡していただければ、お待たせすることはないと認識しています。車イスには100キロ近いものがあり、電動ですとかなり重く、大人1人、2人では持ち上がるものではないですね。重いものを持って階段の上り下りは、確かに危険が伴うこともあると思います」
ということです。
Web掲示板は賛否の「否」が多いが……
これがまとめサイトですが、例によって、難病・障害者が自分の主張をすると、ネット民が叩きまくるのはいつもの話です。
「JRに乗車拒否された」無人駅に行こうとした車イス利用者のブログに賛否、駅員の対応は問題だったのか…国交省に聞く [ばーど★]
https://t.co/FzrPdK0zWT pic.twitter.com/DM8wULcFcS— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) April 6, 2021
主なコメントを引用しますが、Web掲示板は、ほぼ賛否の「否」でした。
5ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 10:49:12.86ID:SlxVDr9y0>>59>>201>>327>>620>>663>>783
無人駅でなにかあった場合ってどうするんだろう
線路に人が落ちたとか38ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 10:53:19.14ID:CIAbW+8M0
あのさあ
駅員って別に障害者の奴隷じゃないんだけどね
それでも対応できる駅での下車をお願いします(その駅は下車希望の駅と500mも離れてない)
と言ったら拒否したんだろ?この糞障害者
障害者利権と差別を振りかざす人間のクズじゃん、こいつ60ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 10:55:13.10ID:a0QvwzTm0
こんな奴見てると障害者を介助する気失せるわな63ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 10:55:26.34ID:kIQcNO/M0
この身障の人間性にも依るから一概に駅員が悪いとは言えない537ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 11:16:43.17ID:69U2wied0
まあどうせ赤字増やすだけの醜悪な駅ビル誘致するよりは
ベータ敷設しろよとは思うが550ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 11:17:12.96ID:fC+0xZu10>>645
乗車拒否というタイトルに悪意があるよな
乗車拒否などしてないじゃないか
無人駅だから車椅子じゃ降りられませんと言ってるだけ699ニューノーマルの名無しさん2021/04/06(火) 11:23:16.05ID:aVi1KADi0
こう言うの見て自分も明日にでも事故って障害者になるかも。。って想像が働かないんだろうね
バカは生きやすそうで羨ましいわ
ということなんですが、予め述べておくと、「699」は私は書いていませんからね(笑)
でも、私の結論はそうなんですけど。
私がまとめます
バリアフリー法のある時代に、エレベーターがまだ付いていなかったのは、JRの落ち度です。
これは否定できないでしょう。
ただ、職員は、現状でできることとできないことを説明するしかないので、対応した職員を責めるのはお門違いです。
一方、私は伊是名夏子さんの対応は、車椅子の側から見て間違っているとは思いません。
杜撰だとか、感謝がないとか、計画性がないとか、色々批判はありますが、車椅子である以上、バリアフリーでない無人駅では、いずれにしてもこういうトラブは不可避ではないでしょうか。
むしろ、よくぞトラブルを起こしてくれたと思います。
そういうことがないと、苦労知らずの健常者は気づかないからです。
要するに、どっちが良いか悪いか、どっちの肩を持つか、という話ではないのです。
こういうトラブルを契機に、バリアフリーの実現を広めようと前向きにまとめればいい話です。
対決ではなくて、誰もが障害者になり得る、それに障害者手帳がなくても、高齢者、妊婦やベビーカーを持つ人にエレベーターは便利だよね、エレベーターが当たり前に利用できると良いね、という方向でコンセンサスを得ることで、社会は前に進むのではないでしょうか。
なのに、Twitterなど一部では、逆に、「#伊是名夏子さんを支持します」などというハッシュタグが拡散されているとか。
それは、私は賛成しません。
なぜか、
対決することで、逆に健常者と障害者が無限の対立をするだけだからです。
そういうことが、「やまゆり園」の遠因になっていると思います。
そもそも彼女の個人ブログの体験話なんですから、同情なんかしなくてもいいし、彼女が好きでなくても良いのです。
事前に予約すべきだとかハチノアタマとか、彼女の至らなさ、ずさんさを指摘するのも間違いではありません。
ただ、それらはいずれも、彼女とJR間のやりとりであり、別にどうであろうが、第三者には何も支障はありません。
公益的な問題は、バリアフリー法があるのに、エレベーターのない駅があったという事実だけです。
それこそが、第三者には大切でしょう。
そういう問題を後景に退けて、彼女の悪口のほうが大事な手合いは、たぶん問題解決能力もないくせに、不平不満や悪口ばかり一人前の人間だと思います。
だめな奴ほど悪口が好きなのです。
それにしても、誰でも難病・障碍者になり得るって、いい加減認識してほしいですね。
伊是名夏子さんを叩いているあなただって、明日とは言いませんが1年後は、車椅子のお世話になっているかもしれないんですよ。
以上、伊是名夏子さんの車椅子の対応巡るJR東日本駅員とのトラブルが話題です。といっても彼女のブログに書かれているに過ぎないこと、でした。
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