「東京がついに田舎になった日」と都知事選を総括した和田秀樹チャンネルの動画「【東京都知事選挙】和田秀樹の選挙の総括」が2日で8.6万PVに達しています。選挙自体は終わりましたので、誰がいいかという話よりも、和田秀樹さんの価値観に共鳴できたのでご紹介します。
和田秀樹さんは精神科の医師。
これまで950冊の著書を出したといいます。
プロの作家だって、そんなに書くのは容易ではないですが、本業、大丈夫なのかな(笑)
書籍自体は、まじめな良書だと思います。
このブログでも、何度かご紹介しました。
なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学(和田秀樹著)をご紹介します。明るい性格が人生にプラスの影響をもたらすことを科学的に解説しています。明るい笑顔は心や体を元気にしてくれ、人には支持されやすいといい、そのための新たな考え方や見方を教示してくれます。https://t.co/YBXE4yPi2a pic.twitter.com/matqWtmyHy
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) May 4, 2024
「異情」な人々(和田秀樹著、フォレスト出版)をご紹介します。「異情」とは、「人間の合理的思考を奪う感情」を表現した著者の造語です。「周囲の異情な人」に振り回されない、そして自分自身が「異情な人」に陥らないための対処法がまとめられています。https://t.co/Z6ohyd39Rn pic.twitter.com/386w5XIMgA
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 24, 2024
この和田秀樹さんが、小池百合子さんの3選について、「私はかなりがっかりしている」といいます。
・また4年間、つらい日々が続く
・こんな暑いのに、エアコンもかけられないような貧困世帯の人たち、生活保護も却下される人が大勢いる
・特別養護老人ホームに入れられず、親の介護でボロボロになっている人たちがたくさんいる
・クズ政治で子供が減っただけなのに、待機児童が減ったと宣伝する
など述べています。
底辺の都民の一人として、ご指摘の点は全くそのとおりだと思います。
ただ、誰に投票するかについては、そもそも政策論考よりも好き嫌いで投票したとしても自由ですし、ここではこれ以上深入りしません。
ではなぜ、今回私が和田さんの総括動画をご紹介したいかというと、その価値観に仏教の教えを感じたからです。
1.人間は自らの思考を柔軟にし、認識を変えることから逃げてはいけない(諸行無常)
2.生活困窮者がいるのに、それを見ないふりしておいしくワインを飲めるほど自分は図々しくなれない(慈悲)
3.共産党について、偏見なしに考えることを恐れてはならない(八正道という教えの中の正見)
諸行無常
まず、タイトルにあるように、和田さんは「東京がついに田舎になった」と嘆いています。
「田舎」というのは、地方とか過疎地とかいう意味ではありません。
田舎か都会かというのは、変わろうとする意思があるかどうか、ということだといいます。
日本で一番都会だなと思う県は、高知県だそうです。なぜなら、小選挙区制で、自民党でも野党第一党でもなく日本共産党の候補者(故・山原健二郎さん)が当選したことがあるから。
つまり、政治革新を求める気風があるということだそうです。だから高知県は都会だと。
※ただし、立憲民主党に抱きついている肝心の日本共産党は、その高知1区の候補者を前回の総選挙からおろして、みすみす立憲民主党に「どうぞ」と上納しちゃったんですけどねー。情けない党です。
それはともかく、たしかに日本共産党の当選者は浮動票の多い首都圏中心で、先祖代々住んでいる人が多い地方ではなかなか当選できません。
でも、支持していなくても、お灸をすえる一時的なものでもいいから、とにかく与党候補以外の選択肢を選ばなければ、政治は変わらないですよね。
それができない者は田舎者だ、と和田さんは言っているわけです。
仏教は諸行無常といい、全ては同じままではないといいます。
ヘラクレイトスも言っています。
万物は流転する。同じ川に2度入ることはできない。
あなたが思っている「今」なんて、この瞬間にも変化している。柔軟な考え方ができない人は、その流れに取り残されるということです。
慈悲
しかし、医師で、本も出して、テレビにも出ている金持ちの和田秀樹さんは、保守の側にいたほうが自分に都合がいいのではないか。
小池百合子さんが勝ったって、別に構わないよね、という声もあるとか。
「そのとおりです。小池さんが勝つほうが金持ち優遇になるでしょう。でもね、美味いもの食ってる時に、片っぽで、どこかで、近くで、目に見える範囲で飢えてる人とか、エアコンも当たれなくて熱中症で亡くなる人がいるとか、貧乏な人がいるのに、平気でうまいもんが食えるほど自分は神経は太くないんですよ」
「北朝鮮に飢えた子供がいるのに、上が悪いだけなのに、北朝鮮で餓死している人を平気でいられる日本人って大嫌いですよ。これこそ朝鮮人差別だと思います」
人間は、素質も能力も価値観も様々ですから、原始時代や共産主義ユートピアでも実現しない限り、すべての人が同じということはなく、人の間には、生産と分配に差が生じると思います。
ということは、金持ちと貧乏人は、絶対に相容れないのか。ともに掲げる旗はないのか。
金持ちにとって、福祉とか自分の生活とは関係ないし、むしろ富裕層を優遇してくれたほうが都合いいわけですよね。
でも、そこで、そうでない層をかえりみることができるのは、仏教で言う慈悲の心があるかどうかだと思うのです。
ただ、ここは単なる慈悲だけでなく、「情けは人の為ならず」という意味も含まれているように思います。
弱肉強食では、人類は決して繁栄しない、自分も良くならない、という冷徹な知性が和田さんにはあるのだと思います。
逆に自分さえ良ければ、と思っている知恵のない金持ちは、いずれ没落するかもしれません。
正見
和田さんは、なんで共産党をそんなに嫌うのか、と問いかけます。
「たしかに中国共産党、朝鮮労働党とか、ろくでもない共産党はいっぱいあります。ただね、日本人て、なんでイタリア共産党とかフランス共産党を知らないのか。フランスは左派連合の中に入り、イタリアも与党入りしています。そういう国々はちゃんとした民主主義ができているわけで、共産党が勝ったからと言って変なことするわけではない。左翼事情を知らない人がアレルギーが多いんだろうけれども、共産主義そのものは、貧しい人たちと金持ちの格差を縮めていきましょうというのが基本的な考え方で、共産党が強くないと、格差がどんどん広がっていくんです」
ここも細部は突っ込めます。
イタリアとフランスの共産党は、社会民主主義にかじを切っており、日本共産党はそれを「日和った」と悪しざまに罵ってきましたから(汗)、それらとはちょっと事情が違うかもしれません。
ただ、日本の民主主義さえしっかりしていれば、共産党が与党になっても別に恐れることはない、というのはおっしゃるとおりだと思います。
げんに、日本共産党員の首長と、保守多数の議会はいくつもありましたが、ちゃんとうまくやってきていますから。その点で和田さんの仰ることは正しいです。
余談ですが、福島の某町で、初めて共産党員町長が誕生したことがあり、実は私とは血縁関係があるかもしれないので、親類に事情を聞いたのですが、その人は、自民党支持者にも信頼されているのだそうです。つまり、党がどこというだけでなく、候補者の人間性自体がまず大切なことなのです。
ですから結論は
1.国民よ、変われ
2.その前に、日本共産党よ、変われ
ということではないかなと思いました。
ぜひ、動画ご覧になってください。
以上、「東京がついに田舎になった日」と都知事選を総括した和田秀樹チャンネルの動画「【東京都知事選挙】和田秀樹の選挙の総括」が話題、でした。
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