藤井聡さんが語ります。日本で20年間賃金が下がり続けるのは、「デフレによる労働生産性低下」「企業が内部留保せざるを得なくなり労働分配率下落」「“株主重視”の政策で実質賃金が犠牲に」といった理由を指摘。MMTがいよいよ評価される時です。
日本で20年間も賃金が下がり続けている
もとの記事は、『bizSPA!フレッシュ』。
『働いても生活が苦しい。日本で20年間も賃金が下がり続けているわけ』というタイトルです。
日本の実質賃金はここ20年間下がり続けているが、アメリカやドイツなど多くの国の実質賃金は右肩上がりを続けており、「日本は世界から本格的に取り残されつつあると言って良いだろう」という書き出しで始まっています。
日本の労働生産性は、OECD平均加盟国37か国中26位と非常に低いから、内閣府は実質賃金上昇のために、「労働生産性を高め、企業の生み出す付加価値を高め、それをできる限り雇用者に賃上げという形で分配していくことが重要である」(令和元年度 年次経済財政報告)というが、藤井聡さん曰く、「表面的には正しいです」としながらも、半ば同意するも、「大の要因は“デフレーション”(以下、デフレ)に陥っている」ことと述べています。
働いても生活が苦しい。日本で20年間も賃金が下がり続けているわけ https://t.co/gtAMtIcn9n
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 7, 2021
藤井聡さんは、その仕組をこう述べています。
「デフレ下では、モノが売れません。そうなれば、どれだけ労働者が頑張っても儲からず、結局賃金も少ないままになる。働いても働いても賃金が少ないわけですから、必然的に労働生産性は下がるのです。しかも、皆が貧乏になれば当然モノが買えなくなって、ますますモノが売れなくなる。そうなればますます企業は儲からなくなり賃金も下がって、どんどん労働生産性は下がる、という負の連鎖が起きます」
企業が儲からなくなれば、お金を借りて投資もしなくなります。
2013年6月14日発表の「日本再興戦略」で全体像が明示されたアベノミクスは、大胆な金融差政策が取られました。
それで、ハイパーインフレが起こる、などと「心配」した経済評論家を名乗る人もいましたが、実際はどうだったか。
日本国債を暴落させるクラウディングアウトが起こるという説ですね。
しかし、この8年間で財政破綻や国債暴落やハイパーインフレを起こしたでしょうか。
そもそも、現在は「ハイパー」のつかないインフレの兆しも見えません。
デフレ下では、リーマンショックやコロナショックのような世界経済を揺るがす大事件が起きることを警戒し、企業は人材や設備などに投資することに後ろ向きになると藤井聡さんはいいます。
つまり、いくら金融政策で「緩和」をしても、借りる人がいなかったら経済は回らない、ということです。
さらに、株主配当金の増加もあるといいます。
「ただし労働分配率が下がり続けている原因はデフレだけでなく“株主配当金の増加”も挙げられます。会社法の度重なる改正に伴い、経営者の影響力が下がる一方で、株主の影響力が相対的に高まった結果、株主に過剰な配当金を支払う圧力が企業にかかるようになりました。恐ろしいことに、株主の配当金を捻出するために、実質賃金を減らしている企業も少なくありません」
デフレ脱却のためには、「“プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化”を凍結し、そのうえで消費税廃止を真っ先に実施すべき」「給付金の配布」「公共投資」などが求められるといいます。
要するに、緊縮財政をやめて、財政出動しろ、ということです。
Web掲示板のスレッドです。
【マネタリーベース】4月の資金供給量、前年比24.3%増 伸び率は16年7月以来の大きさ [エリオット★]
https://t.co/YZ0fEwQtyL pic.twitter.com/KjL5z7NSNm— 石川良直 (@I_yoshinao) May 7, 2021
主なコメントを引用します。
3ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:49:07.55ID:KCLWIoXN0
悪夢の自民党政権8ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:50:11.37ID:IovaP7mQ0
格差が開いてるんだよなあ。12ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:50:50.99ID:RluI+UZI0
すべて正しくて笑った14ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:50:59.11ID:4a7TA6wm0
食料と光熱費、クルマの価格がウナギ登りのスタグフレーションだよ
しかも増税に次ぐ増税で国民を殺しに来る政府15ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:51:10.97ID:J45SojEG0
小泉竹中のせいだろ。20ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:51:40.63ID:DpMb71NZ0
でも平均給与は 今回上がったんだってさ
なざなら パートの人たちがクビになっていなくなったからぁ
うけるぅwwww27ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 09:52:11.35ID:XNbGTO2q0
自民のせいだろ。
とっとと解体しろ。
実際は30年だぞ
30年地下に潜ってる100ニューノーマルの名無しさん2021/05/07(金) 10:00:42.99ID:OBNwafCU0
賃金上昇分以上のペースで税金上がって可処分所得減ってるんだからインフレするはず無いじゃん
使える金減ってる中で生活してるんだから、それに売るためにはデフレになる
ということで、みなさんは、いかが思われますか。
デフレがどれだけ日本経済を停滞させ国民を疲弊させたか
藤井聡さんのデフレ論に関する動画を、ひとつご紹介します。
参議院の国民生活・経済・社会保障に関する調査会(2012年02月22日)で参考人として意見をおっしゃったときの動画です。
【藤井聡】大手マスコミ等による世論誘導で国民総勘違いデフレ不況! https://t.co/1WekBl0dwW @YouTubeより
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 7, 2021
藤井聡さんはまず、成長論の2つのパターンを提示しています。
パターンAは、日本は貿易立国、少子高齢化で、内需の拡大はもう望めない。だからもう外に打って出るしかあ経済成長できない。また公共事業の効果はすでに小さく、またさっきの日本政府はもう破綻寸前である。だからデフレ脱却のためにも、構造改革と自由貿易推進による成長戦略が必要である「改革貿易成長論」。
パターンBは、デフレの原因が需要不足であり、これを埋めるためにも日銀による金融緩和と政府による財政出動の1セットのの取り組みが不可欠であると。一方日本の国債は大半が国内で消化され、かつすべて円建てなので国債の発行にそれほど大きな支障はない。だから国債による資金調達で、大規模な財政出動を行うと同時に大規模な金融政策を実施し、デフレ脱却そして財政健全化を果たすべきであるという「財政出動と金融緩和を通じた成長論。
たぶん、多くの国民はAを選ぶのではないか。
なぜなら、マスコミはこぞってそちらを述べていたから、といいます。
藤井聡さんは、88.3%と具体的に数字も指摘。
しかし、事実との整合性があるのかという点で、パターンAには「きわめて深刻な過ち」があると指摘しています。
そして、次のように反証します。
少子高齢化で内需の拡大は望めない
ドイツやロシアは少子高齢化してるが経済成長しているから、事実に反する。
かりに人口の1%や2%と過激に減っていったとしても、一人当たりのGDPか3~4%伸びれば経済成長できる。
少子高齢化をすれば、デフレに圧力で不便があると圧力が存在するということを否定はしないですが、だからといって経済成長が望めないというのは真っ赤なウソ。
日本が経済成長するには外に打って出るしかない
これは完全な事実誤認。
日本の輸出依存度は、他国と比べてもとりわけ低く、9割は内需主導型経済です。
輸出によって伸びることはあり得るが、それはリーマンショックまでのこと。
しかも円高で、外国が買ってくるとは到底考えられない。
1割内需が伸びれば外需はカバーできます。
効率的に経済成長を果たすことを考えるなら、どう考えても内需手動で行うべきです。
日本政府は破綻する
世の中、何が起こるかわからないから破綻することはないとはいわないけれど、そこまで心配するものかどうかということです。
日本国債は、円建てであり、ギリシャとは事情が違います。
ギリシャは、ユーロを刷る権利がありません。
ギリシャと似ているのは、日本政府ではなく夕張市です。
国債の投げ売りがあったときに、日本は大混乱に陥るという意見もあります。
東電の株は確かに暴落しましたが、東電には中央銀行がありませんでした。
日本政府には中央銀行(日本銀行)が存在しています。
投げ売りされたとしても、日本銀行が買い支えることは不可能ではありません。
ただ、日銀がそれを買ったらハイパーインフレになるという意見もありますが、最大で1000兆円です。
証券会社の方が実はアンケートをとって、どのくらい投げ売りされると思いますかって聞いたときに、1人だけ100%っていうのがいましたけど、99%の方は2割か3割というのが関の山だとおっしゃってます。
ということは、200兆か300兆ですが、そのぐらいの金融緩和はFRB(連邦準備制度、アメリカの中央銀行)が行っている金融緩和とほとんど一緒です。
いずれにしても、かりに投げ売りされて日銀が買い支えたとしても、深刻なインフレになることはとうてい考えられません。
しかも、投資家の少なくない割合が政府系金融機関ですから、投げ売りのリスクは高くないと思われます。
だから、国債の金利は低いわけで、日本政府が破綻するというのは、こうしたデータを知らないか、経済理論を知らないか、知ってて嘘をついているか、その3つのうちのいずれかだと思います。
公共事業は無駄、景気対策としての効果は薄い
第一に、首都直下型地震がくるかもしれないと言われていて、しかも東海南海地震が来るかもしれないといわれていて、しかもインフラの老朽化が激しいと言われてるとき、どこを考えても人の防衛とか、国土防衛のため、無駄な公共事業がないとは言いませんが、必要な公共事業は山のようにあります。
第二に、有効需要を増加させたときに、増加させた額より大きく国民所得が拡大する現象である乗数効果が低いという意見がありますが、インフレのときは民業圧迫で低くなる可能性はあります。
クラウディングアウトが起こって、公共事業の経済刺激効果て低くなるかもしれませんが、今はデフレーションなので、クラウディングアウトすなわち民業圧迫は起こらないので、政府がいくら仕事をやってもそれで民間の仕事が減るという可能性は非常に低いわけなんですね。
クラウディングアウトは、海外ではもうないといわれています。
規制緩和で成長を
規制緩和で経済成長する事はありますけれども、しないこともあり、経済が停滞するということもあります。
デフレは供給過剰のことですが、規制緩和とは供給を増やすことです。
国民所得が下がったのは、規制緩和を行ったからです。
デフレ状況下では、規制緩和は絶対にやってはいけないことです。
デフレギャップを解消することでデフレ脱却の唯一の方法です。
日本最大の政治課題がデフレ
藤井聡さんは、規制緩和、公共投資の削減、消費税の増税がデフレの三要素と絶叫しています。
そして、経済政策の失敗で、2000兆円損をしたと試算しています。
日本最大の政治課題がデフレだといいます。
これは、なぜ財政出動が必要なのか、理解を助けてくれるすぎらしいお話です。
詳しくは動画をご覧ください。
以上、財政出動は待ったなしです。藤井聡さんは日本で20年間賃金が下がり続けるのは、「デフレによる労働生産性低下」など3点を指摘します。でした。
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