荏原七福神は、品川区内の神社寺院を横断する1991年に生まれた七福神の巡礼札所です。約6キロメートルを約2時間でまわるコースといわれています。大井蔵王権現神社、東光寺、養玉院如来寺、上神明天祖神社、法蓮寺、摩耶寺、小山八幡神社などを巡ります。
七福神とはなんだ
七福神とは、文字通り福をもたらすとされている七柱の神です。
七福神の信仰は、室町時代の末期のころより始まったと言われています。
恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天ですが、宗教的にはヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々な背景を持っています。
それが、日本の各地域で7つの神社、もしくは寺院に祀られています。
七福神は民間信仰であり、そのため神社でも寺院でも関係なく祀られているのです。
祀られている各神社や寺院は、本来の御祭神や経典とは別に、七福神のいずれかの神を祀っています。
現代は、神社・寺院の巡回(見学)コースとして、その地域の神社や寺院に七福神を祀って町おこしを行っています。
たとえば、東京都品川区の七福神は、東海七福神と荏原七福神という2つの七福神巡礼コースがあります。
東海七福神は、品川区の東側とその南に位置する大田区の7つの神社・寺院をまたがって祀られていますが、荏原七福神は、品川区の南部を横断する形で神社・寺院に祀られています。
荏原七福神は、郷土・荏原を見直すきっかけにしたいとの願いから、1991年に生まれた七福神の巡礼札所だそうです。
荏原七福神について
荏原というのは、かつて武蔵国(今の首都圏)22郡の中の1つである荏原郡といわれていた名称が由来。
今の品川区、大田区、世田谷区、川崎市の一部までを含む地域でしたが、現在その中の、品川区南西部にある神社とお寺に荏原七福神が置かれています。
東急線大井町線大井町駅から、東急目黒線・西小山駅まで品川区を東西に横断する約6キロメートル。
約2時間でまわるコースとされています。
荏原郡時代の「荏原」は広かったのですが、現在の住居表示では、品川区に荏原1~7丁目という町名があります。
たとえば、荏原と名前がつくものを探してみると、品川区の場合、荏原町(えばらまち)という駅が東急大井町線に、荏原中延という駅が東急池上線にあります。
今回の荏原七福神は、すべて品川区にありますが、そのすべてが荏原1~7丁目にあるわけではなく、別の町名の神社やお寺もあります。
現在の「荏原」の七福神というより、旧荏原郡だったところまでを含めた、多少アラウンドな配置になっています。
まあ、区外(大田区北西部)にも、たとえば都立荏原病院が東雪谷に、日体荏原高校が池上にありますから、そのへんは緩やかでいいでしょう。
ただ、ひとつの町に収まっていないということは、それだけ広い範囲にあるということです。
今回は、これまで巡った七福神のように、ひとつの電車のひと駅、ないしはふた駅間にあるのではなく、東急大井町線大井町駅、JR横須賀線西大井駅、東急大井町線戸越銀座駅、東急池上線旗の台駅、そして目黒線の西小山駅などを最寄り駅とする品川区横断の長丁場です。途中、国道1号線や中原街道もまたぎます。
東部の京急、北部のJR山手線、湘南新宿ラインなども含めると、品川区は8本の鉄道が走っているわけですね(通過の新幹線は含まず)
もうひとつの特徴は、七福神を置くのは、どちらかというと小さな神社や寺院おこしという意味合いがあるのですが、荏原七福神は小規模の神社は1箇所ぐらいで、大きな所にも置いていました。
七福神巡礼
ということで、論より証拠で、荏原七福神巡礼です。
東急大井町線大井町駅からスタートします。
大井蔵王権現神社(福禄寿)
大井蔵王権現神社(福禄寿)は、今回まわった神社・寺院ではいちばん小さいところです。
大井町の駅の近くで近隣は近代的なビルがたっています。
東光寺(毘沙門天)
東光寺(毘沙門天)は、大井蔵王権現神社からバス通りを15分位歩きます。
毘沙門天は開運厄除の神です。
東司(トイレ)の神様 守護烏瑟沙摩大明王が祀られています。
養玉院如来寺(布袋尊)
養玉院如来寺(布袋尊)は、東光寺からJR西大井駅を越してさらに坂を下るなど徒歩30分。
少し距離がありますね。
途中に伊藤博文の墓があります。
もともと養玉院と如来寺という2院が合併したそうです。さすがに一番大きな寺院でした。
立派な山門です。
これが布袋尊像です。
上神明天祖神社(弁財天)
上神明天祖神社(弁財天)は上り坂を北上し、しばらくするとまた下り坂になります。
東光寺のあるバス通りに戻り、今度は上神明天祖神社です。ゆうに20分は歩きます。
緑の鳥居と白蛇が特徴の神社です。
例大祭の時はお祭りの上りが立っていましたが、撮影時は七五三でした。
法蓮寺(恵比寿)
上神明天祖神社から第二京浜国道をこえてさらに20分歩くと、東急大井町線荏原町駅に。
その真ん前にあるのが法蓮寺(日蓮宗)です。
敷地は違いますが、すぐとなりは神社です。
近くには品川区立源氏前図書館があり、私はよく利用するのですが、ここも徒歩では少し距離があるんじゃないかと思います。
摩耶寺(寿老人)
荏原町から東急池上線旗の台駅を通って中原街道をまたぎ、昭和大学病院を超えると摩耶寺に到着。
この間も20分はかかります。
池上本門寺の御会式に参加していたので、日蓮宗のお寺です。
摩耶寺は、摩耶夫人像を祀っています。品川区らしい閑静な住宅街にあります。
小山八幡神社(大国天)
摩耶寺から10分ほど歩くと、シンガリは小山八幡神社(大国天)です。
ここから目黒線西小山駅に抜けて、コースは終了します。
「2時間」にはとらわれず巡礼を
品川区のサイトがリリースしている「2時間」でまわりきるのは、ちょっとむずかしいかもしれません。
せっかくまわるのですから、大急ぎではなく、ゆっくりしたほうがいいでしょう。
途中、お昼をまたいで食事をしたりお茶を飲んだりしながら、朝から夕方までゆっくり巡るつもりで計画を立てるといいと思います。
以上、荏原七福神は、品川区内の神社寺院を横断する1991年に生まれた七福神の巡礼札所です。約6キロメートルを約2時間でまわるコース、でした。
品川区あるある 東京23区あるある – 東京23区あるある研究所, にゃほこ
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