ブーランジェリーミモレット、という大田区南蒲田のパン屋さんに行きました。ここは大田区発祥といわれる『蒲田あげぱん』を、注文すれば揚げたてで売ってくれます。もちろん、他のオリジナル商品もたくさんあるステキなお店ですが、今回はあげぱんについて少し書いてみましょう。
ブーランジェリーミモレットがあるのは、日の出通りと言います。
別名を日の出銀座とも言います。
個人的には実に懐かしい。
私の小学校時代の通学路です。
日の出通りから環状八号線を超えると、大田区立南蒲小学校があります。
一方、日の出通りの南端には、日本でもめずらしい七辻があります。
文字通り、七叉路です。
羽田に、糀谷に、六郷にと続いています。
しかし、七つ道があっても信号はひとつもありません。
でも事故がないことを自慢としています。
そんな日の出通りの、環状八号線近くに、ブーランジェリーミモレットはあります。
あげぱんの起源と種類
あげぱんは、大田区が発祥の地と言われています。
揚げパンは、コッペパンを油で揚げて、砂糖をまぶしたものをいいます。
1954年、学校給食法が施行されました。
それまでコッペパンオンリーだった学校給食のメニューに、揚げパンが登場したのは1964年(昭和39年)といわれています。
※学校給食(http://www.juk2.sakura.ne.jp/rekisi.html)より
学校給食は、アメリカの小麦粉配給によるパン作りから始まったのですが、美味しいパンではなかったために、苦し紛れの「調理」として登場したと言って良いかもしれません。
最初にあげぱんを導入したのは、鵜の木小学校といわれており、鵜の木では『東京あげぱん』というあげぱんを売っているお店があります。
ただ、そのあげぱんは現代風のおしゃれな細い揚げパンで、昭和30~40年代の太いコッペパンを使ったあげぱんは、ブーランジェリーミモレットです。
下町ボブスレーあげぱんは正真正銘ミモレット発祥
ということで、前置きが長くなりましたが、ブーランジェリーミモレットのあげぱんです。
これが、現在、売られている『蒲田あげぱん』です。
揚げたては、やはりホカホカして美味しいです。
ただ、逆に言うと美味しすぎるかもしれません。
当時の揚げパンは、非常食のような硬くなったコッペパンを油であげて、今よりももっと粗い砂糖を付けて食べやすくしたのです。
当時に比べて、パンの生地も砂糖も油も、全て質が良くなっているため、また揚げる時間も短めのため、お上品でやわらかくおいしくなりすぎ、逆に当時の味から遠ざかるというジレンマがあるのです。
あげぱんは、もう一種類売っています。
黒い弾丸です。
下町ボブスレーあげぱんといいます。
大田区の『下町ボブスレー』を応援する揚げパンだそうです。
下町ボブスレーあげぱんは、メディアで紹介されるときは表面が真っ黒な写真が出ています。
たしかに揚げたてはピッカピカの真っ黒なんですが、時間がたって冷えてくると砂糖が浮いて固まってしまい、表面が白くなります。
中も真っ黒ですが、生地はブラックカカオとチョコチップ入りといいます。
下町ボブスレーあげぱんも、甘くて柔らかくて美味しい!
ところで、下町ボブスレー。ご存知ですか。
大田区産業振興協会が発案した、国産ボブスレー(鋼鉄ソリ)のことです。
公益財団法人大田区産業振興協会公式サイトより http://www.pio-ota.jp/
つまり、下町ボブスレーも大田区発祥です。
まあ、蒲田あげぱんはリアルに「昭和」当時のあげぱんというわけではありませんが、現在の給食で出るあげぱんはまさに蒲田あげぱんなのでしょう。
歌は世につれ世は歌につれ、ではありませんが、あげぱんも時代とともに進化していくということでしょう。
昭和40年代のあげぱんは心のなかにとどめておき、現在に生きる者は、現在の蒲田あげぱんを味わい楽しみたいと思います。
ミモレット
所在地: 〒144ー0035 東京都大田区 南蒲田2-8-11
電話: 03-3735-0850
コメント