池上本門寺(東京・大田区)では御会式が2024年12日からが行われます。日蓮の命日(13日)祭として毎年ニュースでも報じられます。日蓮宗祖第七百四十三遠忌にあたりますが、地元池上では、信仰の有無や宗派の違いを超えて、まちおこしとしての盛り上がりがあります。
池上本門寺の公式サイトによると、11日に法要、12日に万灯練り行列、13日に特別説法・臨滅度時法要と臨滅度時の鐘が打ち鳴らされるそうです。
例年、日蓮が亡くなった13日のお逮夜である12日が(万灯練り行列)人の集まるピークです。
東急・池上線の池上駅は臨時改札ができます。
万灯練供養(まんどうれんくよう)は、故人や先祖を供養するための仏教行事の一つです。
日蓮宗系のお寺の信徒が全国から集まり、文字通り万灯を練り回しながら地元の商店街やバス通りを通行止めにして、池上本門寺まで行列をなして進みます。
その日は、地元池上はほぼ一般車両は通行止め。たとえ自分の家の前でも車は入れられません。
コロナ禍前に、万灯練供養を見学したことがあるので、ご紹介します。
万灯練供養
午後7時。お彼岸過ぎてますし、もう真っ暗ですが、徳持会館という地元ではお馴染みの集会所から一団は出発します。
徳持会館というのは、ありふれた平屋の小さな集会所ですが、駅前商店街に出やすいので、例年スタート地点になっているようです。
商店街に出るには池上線の踏切を超えなければならないのですが、いったん練り歩きが始まると、一団は団扇太鼓(うちわだいこ=円形の枠に1枚の膜を張った団扇状太鼓)を叩き続け、先頭の人は纏を振り続けなければなりません。
踏切の遮断機が下がっている時も、団扇太鼓のどんどんという音と纏のシャッシャッという音が聞こえてきます。
団体の数がいくつあるのかはわかりませんが、どこも楽しそうです。
年に1度の晴れ舞台ですからね
お子さんが小さい方は、ベビーカーを引きながら、もしくはおこさんの手を引きながらの参加です。
お子さんも一団の中では大切なメンバーです
女性も纏を担当します。
駅につくとここで本門寺通りに左折。
池上通りとの比較的大きな交差点は大変な人の数です。
やっとこさ、本門寺総門(正門)につながる道に出ましたが、自分で歩くというより前も見えず歩かされているという感じです。もう何十年も行ってませんでしたが、子供の頃行った川崎大師の0時の初詣を思い出しました。
やっと総門(正門)につきました。
万灯台を引く一団が階段は右側通行。参詣者が左側通行です。近くに自転車を止めてあったので、このへんで帰ってもいいかなと思いましたが、人の波がすごくて帰るに帰れなくなりました。
池上本門寺の階段です
半分以上上ったところで今度は下を撮りました。
そして、仁王門を超えて、大堂へ
大堂に入る前に、一団は最後の団扇太鼓叩きで完全燃焼します
大堂には一般参詣者も入ります。ここに来るまでスタートから2時間ちょっとでした。
ただついて歩くだけでしたが、なぜか楽しかったです。
でも、やっぱり見るよりは一団に入っていた方がもっと楽しかったでしょうね。
私はあまり祭りは興味のない引きこもりですが、お会式だけは、見ていていつも楽しいなって思います。
金魚は外来種、金魚すくいは「覚悟」が必要!?
参道をひとつはずれた、池上駅前から続く本門寺通りには露店が出ます。
焼きそばとか、お面とか、金魚すくいとか、いろいろあります。
ただ、その金魚すくいで捕ってきた金魚が大きくなりすぎて、自宅の水槽で飼いきれなくなり、地域にある六郷用水路や洗足流れ(洗足池から流れてくる小川)に放す人が増えて、ひところ問題になりました。
現在は、2004年施行の外来生物法で禁止されています。
本門寺ですくったから「外来」ではない、金魚は他の魚は食べないから川の生態系は壊さない、という理屈は通用しなくて、金魚は外来種として扱われるのと、また植物や小さな水生生物を食べるため、在来種の生息環境を壊すことがあり、間接的に生態系のバランスを崩し得るそうです。
夜店の金魚は弱っていることが多いですが、大切に育てると、今度はそういう問題もあるんですね。
生き物を育てるというのは、大変ですよね。
いずれにしても、お子さんは迷子にならないよう注意が必要です。
みなさんの地元では、宗派を超えた寺院のお祭りはあれますか。
大田区観光ガイド2 – 西村 敏康, 月刊おとなりさん編集部
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