浅野屋本舗(大田区池上)は池上本門寺通り商店街に店舗を構える宝暦2年(1752年)創業の甘味処。名物の「くずもち」を提供しています。大きな寺社には老舗の和菓子店が必ずといっていいほどありますが、浅野屋本舗もそのひとつとして参拝者が立ち寄ります。
池上本門寺(大田区池上)は、日蓮宗の大本山であり、開祖・日蓮入滅の霊場でもあります。
大本山だけに、子院、五重塔、満両塚、松濤園、梅園など、周辺にはいくつものスポットがあります。
寺院なので墓地もありますが、有名人やその家族の墓をたくさん見かけます。
フジテレビのプロデューサーで、吉本興業でも活躍した横沢彪さん。
女優の栗島すみ子さん。
力道山さんの墓所の隣には、江戸幕府征夷大将軍家・徳川氏の母体松平家の墓がありますが、そこから通路を1つ挟んで、右翼のフィクサー・児玉誉士夫さんの墓があります。
隣はその兄弟分と言われた東声会会長・町井久之さん。
少し後ろには、日本プロレスを後押しして日本プロレスのコミッショナーをつとめた衆議院議員・大野伴睦さん。
その隣りには、東京スポーツ新聞社社長・会長の太刀川家。
向かいには、映画会社や球団のオーナーだった永田雅一さんなど、戦後の日本を表裏で差配したフィクサーたちの「墓閥」もあります。
子院の大坊本行寺には、溝口健二さん、花柳章太郎さん、川口松太郎さんが、やはり“墓閥”を組むように並んでいます。
コロナ禍でしばらくお休みしていましたが、昨年から傘下の寺院が参加する御会式も復活しました。
御会式は、一宗派としの行事ではなく、池上が街を上げて盛り上げています。
町内の道路が、地方から来る方のバスや自家用車の駐車場になるほどです。
こうした伝統的なお寺ですから、多くが歴史的な価値がある場所であり、周辺地域には多くの観光客や信者が訪れます。
そのため、周辺には多くの観光客や信者が訪れることが予想され、商業活動においても需要が高い場所となります。
また、和菓子は日本の伝統的なお菓子であり、特に寺社などの宗教施設においては、信者にお供えするための食品としても使用されます。
また、観光客にも日本の伝統文化を体験してもらうためのお土産として販売されることが多く、寺社周辺には和菓子店が多く存在します。
その中で、池上本門寺の和菓子の名物といえば、くずもちです。
中でも、宝暦2年(1752年)創業という浅野屋本舗は、伝統的な製法を守り続ける老舗で多くの参拝者の信頼を得、伝統的な味わいを楽しむことができます。
参拝の折に立ち寄れる店
etomo池上(駅ビル)が建って、駅界隈がすっかり整備された東急池上線池上駅。
下車して北側に見えるのが池上本門寺通り商店街です。
駅からは徒歩4分。本門寺への通り道に浅野屋本舗はあります。
参拝の折に立ち寄り、お土産を買ったり、店内で甘味を堪能したり、さらには通信販売やお取り寄せもできます。
入り口ではお土産品が販売
店内は、席数数22席(テーブル4名×4席・お座敷2名×3席)。
これは、公式サイトで明記されているので間違いはありません。
入り口ではお土産品が販売されています。
店内で頂き、おいしいと思い、せっかく来たので家族やご近所にも、という気持ちになることはあるでしょう。
私は、池上は長く地元だったのですが、以前は蒲田に住んでいまして、そうすると、川崎大師や池上本門寺に行ったときは、やはりくず餅をいただきました。
くず餅+抹茶アイスクリーム
浅野屋本舗のくず餅+抹茶アイスクリームです。
この後に詳細書いていますが、くず餅は関東と関西で、材料や製法が異なり、関東のくず餅は粘りが強く、弾力性があるといわれています。
葛を使うのは関西なのですが、関東のくず餅のぷるるん感がいいのです。
喉越しがね、いくらでも食べられちゃう。
味にアクセントを付ける、抹茶アイスとの組み合わせはいいですよ。
喫茶お品書き
価格は税込み、2023年3月31日現在のものです。
白玉抹茶クリームあんみつ870円
白玉クリームあんみつ870円
抹茶クリームあんみつ780円
クリームあんみつ780円
クリームみつまめ670円
あんみつ670円
あん豆かん670円
みつまめ560円
豆かん560円
ところてん450円
くずもち450円
上記にコーヒーをセットした場合は、
プレンドコーヒーセット280円(単品380円)
アイスコーヒー350円(単品450円)
コーヒーフロート550円
アイスコーヒー450円
クリームソーダ480円
メロンソーダ380円
くずもち全部のせ 760円
内容……くずもち(6切れ)、抹茶アイス、白玉、つぶあん、きな粉、黒みつ(バニラアイスはこしあんに変更できます)
アイスクリーム
バニラ330円
抹茶330円
きな粉黒みつバニラ410円
お土産品
お土産売り場のウインドウで並んでいた商品です。
くずもち(大)1450円
くずもち(中)970円
くずもち(小)490円
あんみつカップ420円
豆かんカップ320円
ところ天カップ250円
くずもちカップ300円
あんみつ袋セット3人前780円
あんみつ袋セット6人前1530円
みつまめ袋セット3人前620円
みつまめ袋セット6人前1220円
まめかんセット3人前620円
まめかんセット6人前1220円
かんてん(さいの目)380円
黒みつ(大)490円
黒みつ(中)250円
黒みつ(小)140円
くずもち、久寿餅、葛餅の違い
くずもちは、「くずもち」と読んでも文字は違う不思議な食べ物です。
池上本門寺通りの各店では「くずもち」、川崎大師仲見世通りの各店では「久寿餅」(川崎大師)、葛餅と書く場合もあります。
くずもちは、「葛」で作った「餅」だからくず餅。
したがって「葛餅」だろうと考えますよね。
ということは、池上本門寺や川崎大師は「葛」餅ではないのでしょうか。
実は、「くずもち」というのは、葛粉を使用するものと、小麦粉からグルテンを分離させた後の浮き粉を発酵させたものとが流通しています。
くず餅と葛餅は、両方とも似たような見た目や食感を持っていますが、製法には以下のような違いがあります。
原材料の違い
くず餅は、米粉や小麦粉、もち米粉などを使用しますが、葛餅は主に葛粉を使用し、小麦粉や米粉は加えない場合が多いようです。
粘り加減の違い
くず餅は、もち米粉などの粘りが強い粉を使用しているため、粘りが強く、弾力性があります。一方、葛餅は、葛粉のみを使用するため、粘りが少なく、柔らかい食感が特徴です。
加熱方法の違い
くず餅は、もち米粉を使用しているため、炊飯器で蒸したり、お湯でゆでたりして加熱します。一方、葛餅は、葛粉の粘りを引き出すために、湯で溶いた葛粉を加熱しながら混ぜ合わせる方法が一般的です。
形状の違い
くず餅は、長方形や四角形、円形など様々な形状がありますが、葛餅は、ほとんどが円形であることが多いです。
これは、関西と関東で原料と製法が異なるようです。
関東は、ひし形に切った白っぽい餅で、関西は透き通った外観で、食べると、つるんとしていて食感も異なるようです。
黒蜜やきな粉をかける点は共通しています。
池上本門寺通りの浅野屋本舗は関東の製法で、「1年以上乳酸発酵させた小麦のでんぷんを使用」(浅野屋本舗公式サイト)しています。
川崎大師仲見世通りの住吉は、池上本門寺通りの浅野屋本舗と同じ製法です。
小麦粉を練って水にさらすと、でんぷんと、植物性たんぱく質であるグルテンに分けることができますが、そのでんぷんが小麦でん粉といわれるもので、小麦でん粉を1年貯蔵して蒸し固めて作ったのが「久寿餅」だそうです。
小麦でん粉は、たとえば馬鈴薯澱粉に比べて離水が少ない(吸水性がいい)ので、ソフトな食感の生菓子である「くずもち」を作りやすい材質なのだと考えられます。
亀戸天神近くの船橋屋も「くず餅」です。
ま、原材料や製造方法がどうあれ、おいしければいいですね。
以上、浅野屋本舗(大田区池上)は池上本門寺通り商店街に店舗を構える宝暦2年(1752年)創業の甘味処。名物の「くずもち」を提供、でした。
決定版 新お菓子365日 365日シリーズ (レタスクラブMOOK) – 365日シリーズ編集部
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