磐井神社(いわいじんじゃ、大田区大森北)は、東海七福神のうちの弁財天が祀られています。その昔は、武蔵国の八幡社の総社に定められたといわれています。子だくさんの狛犬と磐井の井戸、笠島弁天社などの見どころがあり、大田区北端のスポットです。
磐井神社は、住居表示は大田区大森北、京急線沿いの大森海岸駅と平和島駅の中間にあります。
磐井神社の御祭神は、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后、姫大神、大己貴命など。
東海七福神の弁財天が祀られている場所で、「愛嬌」「厄祓い」「所願成就」「病気平癒」「安産・子育て」などを授けることを標榜しています。
磐井神社の社格は、延喜式内社(小社)、そして旧郷社。
式内社と呼ばれる古い格式をもつ神社で、武蔵国の八幡社の総社に定めたといわれています。
旧郷社というのは、旧の社格で郷社だったということです。
具体的には、府県社の下、村社の上。
府県または市から幣帛(へいはく、供物のこと)を受けていました。
学校で言えば、区立、市立といったところでしょうか。
Wikiによると、東京都の旧郷社は46社あるといわれます。
磐井神社の公式サイトには、別名、鈴森八幡宮とも呼ばれ、由緒書によれば、江戸時代には徳川家の将軍も参詣したことが記されているそうです。
ちょうど、参拝した日は大例祭の季節で、磐井神社も8月3~5日がそうでした。
が、昼間だったため、まだ露店の準備がされている途中で、さすがにわずかな参拝者がいるだけでした。
磐井神社の見どころをご紹介すると、大きく3つあります。
ひとつは、子だくさんの狛犬です。
一対で、都内でも珍しい子獅子が、数えると合計で6匹もいます。
双方の狛犬に3匹ずついます。
「子取りの阿像」「子取りの吽像」ということでしょう。
磐井神社の公式サイトには、子宝の早朝として親しまれていると記載されています。
明治時代に寄進されたものだそうなので、当時の国策の「生めよ増やせよ」の反映かもしれません。
もうひとつの名物は、井戸です。
境内の外には、「磐井」神社という名前の由来となった磐井の井戸があります。
神社の前の国道15号線(第一京浜国道)沿いの歩道に、説明板とともに残されています。
国道の道路拡幅で歩道となりましたが、磐井の井戸も、もとは磐井神社の境内にあったそうです。
東海道往来の旅人に利用されたとされる井戸です。
磐井の井戸水は、心の中がまっとうな人には清水で、不純な人には塩水になる伝説があるそうです。
さらに、境内の左手には、笠島弁天社が鎮座しています。
磐井神社の公式サイトによると、万葉集の「草陰の荒蘭の崎の笠島を見つつか君が山路越ゆらむ」の歌にある笠島とは、万葉の時代の神社周成の地名であり、笠島弁財天にその名ごりを見ることが出来るとしています。
池には大きな亀がいたのですが、よく見るとミドリガメでした。
誰かが飼いきれなくなって、こっそり放ったのではないでしょうか。
磐井神社。興味の尽きない神社です。
大田区の神社には様々なパワースポット
大田区には、パワースポットとされる有名な神社仏閣がいくつかあり、これまでこの大田区千景でも、その一部をご紹介してきました。
たとえば、大田区在住者なら誰でも知る区内でも有数のスポットとして穴守稲荷神社が大田区羽田にあります。
文化元年(西暦1804年)にできた由緒ある神社です。
八幡宮の神社としては、稲荷神も合祀されている徳持神社が大田区池上にあります。
この徳持神社では、毎年第2日曜日にとんど焼き(徳持神社氏子青年会主催)が行われ、たくさんの人が訪れます。
磐井神社同様大森には、海苔養殖終焉の碑である「漁業納畢之碑」を祀る貴舩神社があります。
高おかみ神、伊邪那岐命、倉稲魂命を祀る神社です。
東急池上線御嶽山駅の近くである嶺町には、「木曽の御嶽山」の「関東第一分霊社」である御嶽神社があります。
「嶺の御嶽神社に三度参拝すれば、木曽の御嶽山へ一回行ったのと同じ」と言われるそうです。
そうした神社とともに、大田区の神社として多くの参拝者が訪れる磐井神社。
いかがですか。今度のお休みにでもいらしてみませんか。
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