蒲田温泉まんじゅう。文字通り、東京大田区・蒲田の名物饅頭です。和菓子処清野というお店で売られています。まんじゅうといってもいろいろ種類はありますが、いわゆる薄皮まんじゅうです。茶色い薄い皮に、たっぷりこしあんが詰まっています。そして、表面には温泉印の刻印があります。
いかにも温泉まんじゅうですが、違和感を持たれた方もおられるのではないでしょうか。
世間では、蒲田といえば工場の街。どうしてそこで、草津や箱根や有馬のような保養地の代名詞である温泉まんじゅうが名産品として売られているのかと。
そもそも、蒲田イコール工場の街、という認識が少し違うかもしれません。
工場が多いのは羽田や森ヶ崎であり、リアル蒲田は、住宅と商業の街といってもいいと思います。
それはともかくとして、大田区というのは、23軒もの温泉を擁する、都内23区でも随一の温泉処なのです。
もともと火山大国の日本。その中でも、東京は温泉がよく出るところですが、さらに大田区は温泉がもっとも多いということです。
これは、大田区がかつて海の底にあったことに大きく関係しているようです。
とくに、池上、蒲田、京急線沿線が多いと思います。
たとえば、池上本門寺のある池上は、久松温泉、池上温泉、桜館など、銭湯でありながら温泉ガイドブックでもお馴染みの名泉が集中しています。
そして、その少し先の大田区西蒲田にある「大田黒湯温泉 第二日の出湯」の四代目・田村祐一氏は、銭湯斜陽化の昨今、価格競争もできず(銭湯は価格が決まっている)、設備投資もできず、では何を売り物にするかを考えたところ、「お客様との日々の会話」に活路を見出し奏功したという話を、『常連さんが増える会話のコツ』(プレジデント社)という書籍に書いています。
大田区には、とくに淡褐色や黒褐色の黒湯(ナトリウム炭酸水素塩・塩化物鉱泉)が広く分布しています。
大田区にある銭湯の多くには、黒湯の浴槽があります。
つまり、銭湯の料金で温泉を楽しめます。
ですから、大田区の町名を冠した温泉まんじゅうがあっても、ちっとも不思議ではないのです。
原材料も安全で控えめな甘さ
和菓子処 清野は、大田区蒲田本町の、バス通沿いにあります。
蒲田税務署の近くです。雑色(ぞうしき)バス通りを5分ほど歩いた所にあります。
蒲田温泉まんじゅうは、6つでひとつのパックです。
原材料は、黒砂糖、砂糖、北海道産小豆、国内産無農薬小麦粉、有精卵卵黄、重曹です。
気になる添加物が入っていません。
たとえば、「小豆」だけで「餡」と書いてないということは、「北海道産小豆」から「餡」を作っているということです。
スーパーで売っている大量生産のまんじゅうには、添加物がたくさん書かれ、また原材料の産地も怪しい。
小豆ほ国産と謳うものが増えてきましたが、中には巧妙に、小豆は国産でも、「餡」は輸入なんていうことがあるのです。
また、中国、中東、アメリカなどから輸入の餡は、アフラトキシンという発がん性物質が発見され、検疫で止められることもあります。
その点、蒲田温泉まんじゅうは、大量生産ではない和菓子店が、きちんとした材料で作っているのです。
こしあんは上品な甘さ。色が薄めで甘みも控えめです。
和菓子処 清野
144-0053 東京都大田区蒲田本町1丁目7?5
03-3731-2320
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