大田区2009年『花火大会』六郷土手
かつて、捕虜収容所だった平和島のある東京・大田区が平和都市宣言を行ったのは1984年。87年からはこれを記念して、毎年「終戦の日」の8月15日に花火の祭典を実施している。
打ち上げ場所は大田区と神奈川県川崎市の境になる多摩川・六郷橋付近の河川敷だ。
催し自体は花火だけでなく和太鼓演奏やアトラクション、平和記念式典なども行われたが、目玉はやはり打ち上げ花火だ。今年も19時30分?20時10分までの40分間に、予定通り5000発の花火が打ち上げられた。
恒例行事ということで開催を知る人は多く、地元の人だけでなく近隣の人もJR蒲田からバスを使って多摩川の土手に向かう。薄暮の頃から、ゆかた姿の若い女性も含む多くの花火鑑賞者とおぼしき人々が、「六郷土手」行きのバス停で長蛇の列を作り、バス会社の東急からは職員がやってきて整理を行っていた。
地元の人はわざわざ身動きの取れない間近の河川敷には行かない。観賞中、万が一火が飛んでくることもある。帰るときもすぐに動けない。
ではどこで観賞するのか。私は、打ち上げ地(西六郷4丁目)から少しだけ離れた西六郷3丁目の江崎グリコ前にある公園で観賞させていただいた。少し離れた方がよく見えるし、そこそこの人数は集まるが身動きがとれない場所ではない。
花火にはいろいろな種類がある。私はそれらに精通しているわけではないが、オーソドックスに、「平割り」といわれる、ヒョロヒョロと火の筋が上がり、丸く大きくバランス良く開く花火がいいと思う。几帳面で細かい作業が得意な日本人向きの花火だそうだ。
その火玉の広がり方には、獅子、柳、牡丹、滝など、様々な種類があるそうだが、私のような素人にはとうていそのへんの区別がつかない。もとより、細かいウンチクよりも、キレイに広がればそれでよし、とおおらかに楽しみたいと思っている。
7月、8月は各地で花火大会が開かれる。多摩川周辺だけでも、16日には世田谷、23日には調布、26日には立川などで開催されるようだ。そのすべてに行けるかどうかはわからないが、いつのまにか立秋も過ぎた8月後半。過ぎゆく夏の風物詩を追いかけてみるのもいいかなと思っている。
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